元外資系コンサルタントがレクチャーする経費削減の6つの方法 #大平裕介の経費削減入門

「意外と知らない経費削減のあれこれ」をお伝えするLeaner Magazineでは、経費削減に関する情報を定期的に発信しています。

本記事は、アメリカ合衆国・シカゴを本拠とするコンサルティングファーム・A.T.カーニーで経費削減を担当していた元コンサルタントであり、現在はLeaner Technologiesで代表を務める大平裕介に経費削減のいろはを聞いていく連載「大平裕介の経費削減入門」の第二弾です。

元コンサルの大平は、「経費削減のアプローチは大きく6つしかない」と語ります。経費削減は一体、どのようなアプローチでいえばいいのでしょうか?その全貌を解説します。

構成:オバラ ミツフミ

オバラ前回のインタビューでは、「なぜ、日本は経費削減に積極的ではないのか」についてお伺いしました。経費削減は「やるだけで経常利益が確保できる」のに、イメージの問題からおざなりになってしまっているという話です。

大平:そうですね。日本は海外と比較し、自社で積極的に経費削減を行う会社が非常に少ない国だという話をしました。

オバラ:今回は、経費削減を行う方法についてお話を伺いたいと思っています。経費削減に取り組む企業が少ない理由の1つに、実施後のイメージがつきづらいとお聞きしています。僕はそれに加え、単純に「難しい」という理由がある気がします。

大平:いえ、経費削減の方法自体は、難しいものではありません。王道パターンでいえば、契約しているサプライヤーに「安くなりませか?」と交渉したり、部署ごとに契約が異なることも多いので、契約をまとめて単価を下げたり、やること自体は簡単なんです。

オバラ:そうなんですね。具体的に、どんなことをすればいいのかより詳しく教えてもらえますか?

大平:経費削減のアクションは、大きく2つのパターンに分類することができます。1つは、サプライヤーとの交渉により、より良い価格条件で契約を締結し直す「サプライヤーマネジメント」。もう1つは、社内に働きかけて支出を最適化し、使いすぎを是正する「ユーザーマネジメント」です。

サプライヤーマネジメントの方法は、「ベンチマーク比較」と「バイイングパワー交渉」です。

ベンチマーク比較とは、簡単に言えば「適正水準まで価格交渉を行うこと」。現在の価格条件を適正価格と比較し、もし払いすぎてしまっている場合は、適正水準まで価格を落として価格交渉をします。値切りをするというより、“ボラれない努力をする”イメージです。

バイイングパワー交渉とは、できるだけ良い価格条件を引き出すため、「バイイングパワー(購買力)をもった状態で交渉に臨む」こと。ご存知だとは思いますが、購買価格を決定する最大の要素は「調達の総量」です。当然のことながら、サプライヤーはより多く発注をしてくれる企業に対して、より良い価格条件を提示する傾向があります。

たとえば、契約締結時と現在で調達総量が増加しているにも関わらず、契約を見直していないために、契約時の価格条件のままで調達をしてしまっているケースが多々あります。こうした場合、「現在の調達量ならいくらで購入できるのか」を見直すだけで、一気に経費を落とすことができるんです。

オバラ:やるべきことは意外とシンプルなんですね。

大平:社内への働きかけを必要としないため、「短期に」「少ない労力」で実行できるのがサプライヤーマネジメントの特徴です。

 

 

オバラ:ユーザーマネジメントについても、お伺いさせてください。

大平:ユーザーマネジメントは、比較的多くの企業が取り組んでいる経費削減手法です。大きく4つのアプローチがあります。

1つ目は「最良条件へのサプライヤ集約」。同じ費目内で複数のサプライヤーに対して発注をしている場合に、最も条件の良いサプライヤーに集約していくことで、経費を削減するアプローチです。

たとえば携帯電話会社Aよりも携帯電話会社Bの方が安いのに、営業部署はA社を、それ以外がB社を契約している場合に、全社でB社の利用に切り替えます。それだけでコスト削減ができますし、今度はB社にバイイングパワー交渉ができるようになります。

2つ目は、「分散発注の是正」。ばらばらに調達してしまっている購買活動を是正することで、経費の無駄を削減するアプローチです。

たとえばオフィスに置いておくお菓子を調達する際に、通常インターネットサイトの“A店”を利用している企業があるとします。しかし、ちょっと足りなくなったからとコンビニエンスストアの“B店”で購入することがあったり、大型スーパーの“C店”でも購入されていたり、価格の違う店舗でバラバラに調達を行ってしまっていることがよくあります。

“A店”でまとめて調達をしていれば最安価格で調達できていたにも関わらず、分散して購入しているために無駄が発生してしまっているわけです。「大した額じゃない」と思うかもしれませんが、積み重なることで無視できない金額になります。お菓子に例えましたが、オフィスの文房具や、来客用のお茶など、数え始めたらキリがないくらい無駄な出費が見つかるはずです。

3つ目は「プラン・購買品の見直し」。購買品のスペックが、量的・質的に自社の利用水準に適したものかどうかを見極め、適切なプランに見直していくアプローチです。自社の利用水準を適切に把握した上で、買いすぎていたり、オーバースペックであったりする場合、見直しを行っていきます。

分かりやすく例えると、iPhoneを契約するときに、必要以上にサービスを掛け持ちしてしまっていることがあります。保険に加入してみたものの、そうしたシーンが一向にやってこず、ただただお金を払っているイメージです。

金額規模が大きく、無駄がありそうな購買品を中心に、自社の利用状況とプランの確認を行うだけでも、いかに無駄なコストを支払っているかが理解できると思います。

最後は「使いすぎの是正」。部門・組織や個人に働きかけることで、無駄な経費を抑制していくアプローチです。

これは最も簡単で、たとえばタクシーに乗りすぎているのであれば、なるべく控えるといったこと。意識を変えるだけで、経費は抑えられるのです。

オバラ:ユーザーマネジメントも簡単ですね。大平さんがいうように難しいことはなく、どの企業でも経費削減は成功できそうです。

大平:それが、簡単そうに聞こえて、成功させるのは難しかったりもするんです…。

オバラ:おお…。どういうことでしょうか?

大平:アプローチ自体は簡単ですが、実行したからといって、大幅に経費を削減できる保証はないということです。

たとえばサプライヤーマネジメントを実施し、価格が安くなったとしても、それが本当に適正価格かはわからないですよね。実際に、交渉の余地が残ってしまっているケースが少なくありません。

より最適な価格条件で契約を締結しようとした場合、経費削減のプロであるコンサルティングファームに発注をするか、「Leaner」のような、適正価格が分かるクラウドサービスを利用するしかありません。

オバラ:なかなか難しいですね…。ちなみに、コンサルティングファームに発注をするか、もしくはクラウドサービスを利用するのであれば、どちらが優れた選択肢なのでしょうか?

大平:もちろん自信を持って「Leaner」をおすすめしますよ!その理由は、第三回でお話ししますね。