経費削減を実現する2つの方法 プロが実践する削減ノウハウとは?

利益創出の基本は「売上の増加」と「コストの削減」です。双方のバランスを保つことで、経常利益を確保することができます。

しかし、業績がいい時期にないがしろにされてしまうのが、コスト削減です。なかでも「経費削減」の方法論は、あまり世に出回っていないのが現状です。

今回の記事では、経費削減のプロが実践する2つの王道アプローチ「サプライヤーマネジメント」と「ユーザーマネジメント」について解説します。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

経費削減にはプロが実践する「王道アプローチ」が存在する

企業が利益を生み出すためには「売上を増やす」か「コストを減らす」かのどちらかに取り組まなければなりません。大半の場合、利益を生み出す手法として注目されるのは「売上を増やす」です。

しかしコスト削減は、売上を増やすよりも堅実で、かつ着手がしやすい方法です。特に経費の削減は、打ち手のパターンが大きく2つしかなく、今日から実践が可能です。

本記事では、経費削減のプロフェッショナルが施策を検討する際に用いる考え方について解説していきます。

経費削減の2大アプローチ

そもそも「経費」とは

経費とは「経常費用」の略称であり、会計上は製造原価のうち「材料費」と「労務費」を除いた費用を指します。

経費の代表例としては、下記のような費目が該当します。

  • 電話料金
  • 複合機・コピー費用
  • 振込手数料
  • 備品・什器費用
  • 事務消耗品費
  • 携帯電話料金
  • 名刺代
  • 交通費

これらの費用は、「それぞれの金額は大きくない」ものの、「合計すると大きな金額になる」という特徴があります。本来であれば、1つ1つ費目別に支出の状況を管理していくべきですが、実際には“どんぶり勘定”になっているケースも少なくありません。

このため経費削減の基本は、「どの経費が・どれくらい削減できそうか」を分析し(支出分析)、削減すべき「ターゲット費目」を決め(ターゲット設定)、「適切なアクション」を実行する(削減アクションの実行)という3つのステップで考えることができます。

「費目ごとの支出分析」と「ターゲット設定」は、Leanerのような支出分析ツールを活用することで実現することが可能です。ここでは、今すぐにできる「削減アクション」の考え方をみていきます。

 

 

サプライヤーマネジメントとユーザーマネジメント

経費削減のアクションは、大きく2つのパターンに分類することができます。1つは、サプライヤーとの交渉により、より良い価格条件で契約を締結し直す「サプライヤーマネジメント」。もう1つは、社内に働きかけて支出を最適化、使いすぎを是正する「ユーザーマネジメント」です。

この2つのアプローチには、それぞれ以下の特徴があります。

サプライヤーマネジメント

社内への働きかけを必要としないため、「短期に」「少ない労力」で実行することが可能。また、条件次第では大幅なコスト削減を実現できることも。一方、大幅な削減が見込める費目には限りがあるため、中長期的には削減余地が低減していくという特徴がある。

ユーザーマネジメント

社内への働きかけを必要とするため、社内調整が必要かつ、効果が出るまでに時間がかかるケースが多い。一方、成功すれば中長期で削減効果が持続されるため、「やればやるほど効いてくる」のが特徴。

それぞれ、削減を実現するまでの労力や、期待できる削減効果の質に違いが存在しますが、まずは短期で大きなインパクトが出る可能性が高い「サプライヤーマネジメント」から取り組み、徐々に「ユーザーマネジメント」を進めていくのがおすすめです。

それぞれのアプローチにおける具体的なアクションについては、下記の記事を参照ください。

経費削減を成功させるには?

これまで経費削減の代表的なアプローチについて触れてきましたが、これらを高い水準で実現するために重要なのは、経費削減をミッションとして持ち、率先して行う責任者(または組織)の存在です。

いずれの施策も、現場から情報を集め、集めた情報から仮説を立て、実際のサプライヤー交渉を進めていくまでを戦略的に・責任を持って進める存在が必要です。

欧米の場合、CPO(Chief Procurement Officer)やCFO(Chief Financial Officer)といった、調達の最適化を請け負う役員や責任者が存在するケースがほとんどですが、多くの日本企業にはこういった役職が存在しません。

冒頭でも触れましたが、企業が利益を生み出すためには適切なコスト管理が不可欠です。東京五輪後の景気後退が噂される今、コスト管理の責任者を置くことが、日本企業にも求められています。

本記事を、経費削減に着手する契機としていただければ幸いです。