その経費、払いすぎているかも?経費削減の王道アプローチ「サプライヤーマネジメント」とは

利益創出の基本は「売上の増加」と「コストの削減」です。双方のバランスを保つことで、経常利益を確保することができます。

しかし、業績がいい時期にないがしろにされてしまうのが、コスト削減です。なかでも「経費削減」の方法論は、あまり世に出回っていないのが現状です。

今回の記事では、経費削減のプロが実践するアプローチ「サプライヤーマネジメント」について解説します。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

経費削減のプロが実践する「サプライヤーマネジメント」とは?

サプライヤーマネジメントとは、経費削減の王道的な手法の1つです。具体的には、サプライヤーに働きかけ、契約を見直すことで経費を適正化することを指します。

サプライヤーマネジメントはどのように進めればいいの?

サプライヤーマネジメントの方法について、詳しく解説していきます。サプライヤーマネジメントの方法には、大きく2つのアプローチが存在します。

ベンチマーク比較

ベンチマーク比較とは、現在の価格条件を適正価格と比較し、もし払いすぎてしまっている場合に、適正水準まで価格交渉を行うことです。

ベンチマーク比較は、魚屋さんの例で考えると分かりやすいです。例えば、カツオを購入しようと市場を訪れた際に、魚屋さんが一般的な市場価格よりも大幅に「高い」価格を提示したとします。多くの場合、魚のプロではない一般の方は、それが高いか安いかの判断がつきません。

ただ、ここで言い値で購入してしまうのではなく、市場全体を見て回り、おおよその相場感を把握した上で適切な価格水準を予想することができれば、適正価格で購入できる可能性が高まります。

これと全く同じことが、企業の調達活動においてもいえます。複数のベンダーに相見積もりをかけたり、あるいは競売させることにより、1社の見積もりで判断する以上に良い条件を引き出すことが可能です。

ただ、上記のような手順を踏んだとしてもまだまだ適正価格とは乖離があり、実際には交渉の余地が残ってしまっているケースが少なくありません。

より最適な価格条件で契約を締結しようとした場合、経費削減のプロであるコンサルティングファームに発注をするか、またはLeanerのような適正価格が分かるクラウドサービスを利用する、といった手段が考えられます。

 

 

共にコストがかかる手法ではありますが、抜本的な経費削減を実現するためには、これらの選択肢も検討してみるとよいかもしれません。

いずれにせよ、1社の見積もりで調達を決めてしまうのではなく、必ず適正価格を調査し、より良い交渉条件を引き出すことが重要です。

バイイングパワー交渉

サプライヤー交渉をする上で重要なのは、ベンチマーク比較だけではありません。もう1つ重要なことは、できるだけ良い価格条件を引き出すため、「バイイングパワー(購買力)をもった状態で交渉に臨む」ということです。

購買価格を決定する最大の要素は「調達の総量」です。当然のことながら、サプライヤーはより多く発注をしてくれる企業に対して、より良い価格条件を提示する傾向があります。

バイイングパワーをつけた状態で交渉に臨むために、調達担当者が取るべきアクションは大きく2つあります。

  • 現在のバイイングパワーを把握し、契約条件が適切かどうかを確認する

契約締結時と現在で調達総量が増加しているにも関わらず、契約を見直していないために契約時の価格条件のままで調達をしてしまっているケースがある。この場合、現在の正確な調達総量を把握することで、交渉で適切な価格条件を引き出すことが可能。

  • サプライヤーを集約する

複数のサプライヤーに発注しており、サプライヤーあたりの発注総量が分散している場合、サプライヤーを集約することで1社あたりの調達総量を高め、バイイングパワーをつけることが可能。

これらのアクションを実行することで、バイイングパワーを最大限に高めた上で交渉に臨むことができます。調達の絶対量が多いほどバイイングパワーを高めることができるため、特に中規模〜大企業であるほど期待できる削減効果が大きい施策といえるかもしれません。

また売上が急成長している企業であれば、将来的に見込まれる発注量を先に提示することで、現状の購買力以上の単価条件を引き出すことができるケースもあります。

 

 

サプライヤーマネジメントのポイント

ここまでサプライヤーマネジメントの方法として、ベンチマーク比較とバイイングパワー交渉の2つがあることを解説してきました。

ポイントは、どちらか1つを選択して行うのではなく、むしろこれら2つを組み合わせて施策を検討することです。

もちろんバイイングパワーに限らず、ベンチマーク比較による交渉でコスト削減が実現されるケースも少なくありません。しかし最も理想的なのは、サプライヤーを集約し、バイイングパワー高めた上でベンチマーク比較を行うことです。単体で行うよりも、より良い条件で交渉に臨むことが可能になります。

どれくらいのコスト削減効果が期待できるの?

過去の交渉状況や、削減余地がどの程度残っているかにもよりますが、プロの経費削減コンサルタントが実際にコスト削減プロジェクトを行った場合、およそ10〜20%程度の経費を削減できるケースが多いようです。

よって理論上は、多くの企業で上記金額の削減余地があるといえます。まずは一度、自社の調達状況を見直してみてはいかがでしょうか。