突然ですが、「社内で行なっているコスト削減政策を教えて!」と言われたら、あなたは答えることができますか?
コスト削減の重要性はわかっても、具体的な業務からは逃げていることが少なくありません。コストを削減することは決して簡単ではないです。闇雲にコストを削ぎ落すと、企業に負の効果を与えることにもなり得ます。
各企業が適切なコスト削減を実行するためには、現場で「どのような」苦悩を抱えているのかを把握することが必要です。
本記事では、コスト削減に取り組もうとしている購買担当者(総務・経理)が抱えている苦悩を紹介します。
TEXT BY Leaner Magazine編集部
コスト削減の担当者が抱えている3つの苦悩
コスト削減の担当者はどのような部分に難しいと感じているのでしょうか。総務・経理担当者が抱えている3つの悩みを紹介します。
Ⅰ. 経費削減するために「コスト制限」を行い、会社内から反発される
コスト削減に取り組もうとしたとき、何から手をつければいいのかわからないことは少なくありません。この状態で多くの人が始めてしまうのが、「○○の廃止」というような「コスト制限」です。以下のような「コスト制限」を行っている企業も多いのでないでしょうか。
「コスト削減」ではない、「コスト制限」の例
- カラーコピー禁止
- お中元等の送り先を減らす
- ガムテープの長さ〇センチ以内
- 電気は〇時以降は消灯
- 基準の気温を満たさなければ冷暖房禁止
「コスト制限」は社員が使用したいものを規制するため、「細かい・せこい」と思われがちです。結果的に不満を抱えた社員から反発を受けてしまいます。
そこで、使いすぎの費目を特定し、 費用の規模・削減余地・実行の難易度などを総合的に鑑みて取り組んでいくことが必要です。
社員を窮屈にさせない正しいコスト削減手法を取れば、細かい・せこい人間だと思われることもありません。
Ⅱ. コスト削減できても評価されないため、積極的にやりたいと思わない
多くの企業では、コスト削減の効果を定期的に振り返る習慣がないため、コスト削減の進捗状況や削減余地を把握できていません。総務・経理担当者がコストを削減して大きな利益を創出しているときでさえ、可視化されていないことで評価されないケースが多いのです。
このような評価がされない環境では、担当者のモチベーションは低下してしまいます。「どうせ必死にコスト削減しても評価されないのなら、余分な時間を取られるのは嫌だ」と、コスト削減が実行されないことも多いです。
また、コスト削減にはリスクもあります。コスト削減することでかえって他の業務に支障をきたす可能性もあります。
成果を出しても評価されない上に、会社の他の業務に悪影響を及ぼすリスクもある。このようなコスト削減に対して消極的にならざるを得ない環境は、健全であるとは言えません。
Ⅲ. 周囲の人間が現場担当者に抱く業務イメージと現実の差
みなさんは、総務・経理担当がどのような業務を扱っているのかわかりますか。
総務・経理担当は、多くの企業において”なんでも屋”になっており、多岐に渡る分野を扱っています。結果的に、周囲の人間が思う総務・経理部の業務が現実と異なることが少なくなりません。
まずは総務・経理担当の業務をみてみましょう。
総務部・経理部 業務例
- 安全衛生管理
- 福利厚生
- 契約書管理
- 社内インフラ整備
- 固定資産管理
- 庶務郵便物受取
- 社内外慶弔
- 秘書業務出張手配
- 株主総会関連業務
- 各種規定管理
- リスクマネジメント

以上のように、総務・経理担当にはコスト削減以外にも様々な業務を抱えています。総務・経理部の現状を社内で共有されていない場合、コスト削減政策にも影響がでます。総務・経理部の業務状態を把握していない担当から「すべての経費費目を見直せば良い」というコスト削減指示が下るケースも少なくありません。総務・経理担当は忙しく、かつ相見積もりを1回やるだけでも相当な業務負荷がかかります。
このように、周囲の人間が担当者に抱く業務イメージと現実との差によって、コスト削減に割く時間がとれないまま対策をするケースも存在します。
コスト削減効果を可視化することの重要性
今までお伝えしてきたように、コスト削減にまつわる現場担当者の苦悩は様々です。
そこで現場担当者の苦悩を減らすために重要なのが、“コスト削減効果を可視化すること” です。
今までは現場担当者がコスト削減に成功したとしても、結果が見えないことが多かった。「どのくらい」コスト削減できたのかを一目で分かる状態にすることで、総務・経理担当者の利益貢献度を評価できるようになります。たとえ上手くいっていないときも、改善点が明確になることで成功に近づくことが見込めます。
会社の各部署別のコストの可視化もされるとなお良いです。コスト削減の担当者だけではなく、一般の社員のコストに対する意識も高まる。これにより、社員たちの声がコスト削減担当者に届き、“無駄なように見えて必要なもの”がコスト削減対象となることも防ぐことができます。
企業全体で可視化が進められると、コスト意識が高まり、コスト削減効果も大きくなるのです。

自社完結が難しいと感じたら、Leanerに相談してみよう!
現場担当者の苦悩や、コストの可視化の重要性を理解していただけたでしょうか。
具体的にどのようなステップで会社全体のコストを管理し、可視化できるのかわからないことも少なくありません。
そんなときは、間接費削減を行う「Leaner」に相談してみましょう。経費を「見える化」し、無駄を明確にすることで、自社とって最適なコストカットの方法が分かるようになります。