利益率の向上に間接費の削減が重要な理由

本当に必要?本当にできている?“真の経費削減”とは

皆さんは、間接費の削減は必要だと思っていますか?

また、しっかりと取り組めていますか?

ここでは、【利益率の向上に間接費の削減が重要な理由】についてお届けします。

利益創出にコスト削減が重要な“当たりまえ”の理由

当たりまえですが、営業利益率5%の企業において「1億円のコスト削減」は、「20億円の売上を立て続ける」ことと同じ利益効果があります。

この“当たりまえ”が“当たりまえになっていない企業”は、改善の余地を多く残しています。

「コスト削減の全体像」「経費削減の位置づけ」

以下のポートフォリオ図を見てください。

縦軸が「金額規模が大きい」-「金額規模が小さい」、横軸が「コスト削減しやすい」-「コスト削減が難しい」となっており、“経費削減” はコスト削減の全体像の中で、最もコスト削減がしやすいものとなっています。

①経費・間接費は想像以上に大きい

“間接費・経費は小さそう(誤り)” だから劣後する企業は非常に多いです。

しかし、間接費・経費とは、事業との関連性が低いロングテールな費用の集まりになっており、全コストに占める間接費比率は決して小さいとは言えません。

②直接材 vs 間接材のコスト感度比較

以下の図は、「直接材(原価)への経営者の感度」と、「関節材(経費)への経営者の感度」を比較したものです。

直接費は事業との関連性も深いため、経営者の感度は高いものの、間接費(経費)は事業との関連性が低いため、経営者の感度は低くなっています。

原価は経営者含め感度が高いため、既に多くの施策を行っており、抜本的な施策がないと改善が難しくなります。

一方で、間接費(経費)は感度が直接費と比べ低いので、未だにコスト削減余地を多く残しています。

③業務効率化は本当に最優先?

皆さんは、「人件費が大きい=業務効率化余地も大きい=最優先」と思いこんでいませんか?

人件費の総額が大きいために利益率向上策として優先的に着手する企業が多くみられますが、本当に“業務効率化(人件費削減)が利益率向上に最優先か” は再度検討していただきたいところです。

経費はなぜこんなにもコスト削減余地を残すのか

間接費の約10~20%がコスト削減可能と言われています。

(前提)社長が思うほど「総務 / 管理部は暇じゃない」

間接費・経費の購買を担当している管理部 / 総務は、多くの企業において“なんでも屋”になっており、細々とした業務に日々追われています。

「すべての経費費目を見直せば良い」というコスト削減指示が下るケースも少なくありませんが、総務 / 管理部は忙しく、かつ相見積もりを1回やるだけでも相当な業務負荷がかかります。

①間接費・経費市場ほど“情報格差”がある市場はない

間接費のプロであるサプライヤーの営業を前に、管理部・総務は自社情報だけで交渉しなければなりません。

管理部 / 総務は「1人×自社情報だけ」で戦わざるを得ない状況にあり、主に以下の2つの問題が生じます。

1.ベンチマーク(業界最安水準)がわからない

・サプライヤーの専門家と管理部 / 総務担当者が1on1で交渉

・(非常に忙しい中で)合い見積もりをできる限り実施

2.どの経費が増えている/使いすぎかは仮説

・自社の経費を用途別にすべて集計し増減を把握することは大変

 (予算策定のため勘定科目+一部主要費目のみ集計)

・更に、類似企業の経費比率と比べられている企業はほんの一部

②コスト削減しても評価されないのに進むはずがない

そもそも、コスト削減効果を見える化さえしていない企業も多いです。

コスト削減しても評価されない環境の中で、コスト削減が進むはずがありません。

“真の経費削減”を実現するには

“情報格差”を解消する・削減効果の見える化

•①“情報格差”を解消しよう

管理部 / 総務は「1人×外部情報」で戦うことが重要です。(=脱・自社比較)

ベンチマーク(業界最安水準)を知ろう

・他社の購買データを調べ、ベンチマークを知ることで、コスト削減の余地(契約の見直し余地)を明確に

・「自社はちゃんとやっているはず(仮説)」と思いこまずにしっかりと情報収集を進める

増えている/使いすぎ経費を見える化

・経費を用途別にすべて集計し増減を把握する

・更に、類似企業の経費比率と比べ使いすぎの費目を特定することで、優先的に着手する経費を特定

経企や営業や人事と比べ、管理部 / 総務は業務の性質上自社のコミュニティに留まりがちです。

戦略的に経費削減をするためにも外部情報を収集することが重要になります。

②削減効果の見える化・評価制度を整えよう

コスト削減で管理部/総務を評価するためにはコスト削減効果の見える化が重要になります。

コスト削減効果の見える化は、コスト削減へのモチベーションアップにも繋がります。

利益の増加、成長の原資の獲得に向けて

間接費は、費用の種類の多さ、専門性の高さなどから、敬遠されがちな領域です。

他方、企業のPLに占める間接費の割合は大きく、改善余地も大きいことから、取り組み次第では、早期の利益創出が可能な領域でもあります。

本記事を、間接費の見直しに着手する契機としていただければ幸いです。