2021.08.16

<3分で振り返り> スモールスタートが成功の鍵!「見積もりDX」から始める購買調達のデジタル革命とは|Leanerセミナーレポート

<3分で振り返り> スモールスタートが成功の鍵!「見積もりDX」から始める購買調達のデジタル革命とは|Leanerセミナーレポート

トップライン向上が厳しい情勢の中、製造業の企業ではより厳しいコスト改革が求められています。

コスト改革の際には欠かせない「購買・調達」の見直し。しかしながら、ほとんどの企業ではまだまだメールや電話などアナログな業務プロセスが中心なのではないでしょうか。

企業の調達改革をする上で最も重要な、「見積もり・価格査定」のプロセスのDXについてA1A株式会社の代表取締役 松原氏をお招きし、Leaner Technologies COOの田中との共催セミナーを開催しました。

本記事では、購買調達のデジタル化を進める秘訣を紹介します。ぜひご一読ください。

松原 脩平 氏 | A1A株式会社 代表取締役

2013年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、株式会社キーエンスに入社。営業として主に中部地方の自動車関連メーカーを担当。その後、投資会社に移り、ベンチャーキャピタル業務に従事。設立間もないスタートアップの投資育成を手がける。2018年にA1Aを創業し、現在に至る。

田中 英地 | 株式会社Leaner Technologies COO

一橋大学卒業後、2013年にA.T. カーニーに入社。あらゆる業種・業態の企業を顧客に、新規事業、ビジネスデューデリジェンス、中期経営計画、マーケーティング、BPR、調達改革など、戦略からオペレーションまで幅広い業務に従事。マネジャーへ昇進したのち、2019年6月よりCOOとして株式会社Leaner Technologiesへ参画。

          

製造業における調達改革の重要性

―調達改革の重要性について、田中さんの方から簡単にご説明いただけますか。

田中:リーディングカンパニーは経営イシューとして調達改革に取り組んでいます。

なかでもIBMは90年代から調達改革をし、日本円で7000億円近くのコスト削減に成功しています。日本電産も、「Cash is King」という考え方が全社に浸透しており、調達価格の見直しによる結果を営業利益と同等に評価しています。

また、昨今「DX」という言葉を聞く機会が多いと思いますが、DXに取り組む際にも調達は重要だと言われています。以下の図を見ていただくと、期待効果も実現可能性も高い領域が調達で、DXを進めていくうえで優先度の高い領域となっています。

        

なぜ今調達のDXが求められているのか

―昨今調達のDXが求められていることについてはどうお考えでしょうか。

田中:現状、コロナ禍によってあらゆる業種業態でトップラインが落ち込んでいます。この状況で今できることはコスト削減だと考え、「コストを下げて行こう」という取り組みが高まっていることを感じています。

松原:それはありますね。他に私は、ステークホルダー全員を巻き込んで良いものを作っていくことを実現する手段の1つとしてDXが求められていると思っています。調達はものづくりの工程の1つなので、良い製品をつくるためには専門性や技術を持つ製造業の直接材のサプライヤーさんの協力が絶対に必要になりますから。

―「見積もり」というプロセスにフォーカスする理由は何かあったりするんでしょうか?

田中:私は原体験が1個ありまして、コンサルタントとして企業の調達やコスト改革を支援していた際、結局は相見積もり・価格交渉の改善に行き着くなと思っています。相見積もりを取り、価格査定を行う上で最も重要なのは、サプライヤーとのやり取りをデジタルで効率化し、データをもとに評価することです。ですが、日本企業の調達の現場では、未だにFAXやメールが主流で驚くほどアナログな業務プロセスになっています。このアナログなプロセスを改善しない限り、日本の調達のレベルは向上しないと考えており、「見積」というプロセスにフォーカスしています。

松原:私は「見積もりは資産である」と思っています。今は「実績データ」っていくらでも残ってると思うんですよ。どこに何を発注したのか、いくらで発注したのか。しかし、なぜそこを選んだのか、どういう経緯で発注したか、交渉の部分って全然残っていないですよね。製造業の購買にとってはいわゆる「QCD」、「品質・価格・納期」が重要で、今残っていない過程の部分のデータを蓄積し、活用できるようになる必要があると考えたからです。

田中:本当にその通りだと思います。受発注に関する部分はシステム化されている企業も多いですが、その前工程は基本アナログで管理しており、データがそれぞれの担当者のデスクトップや書類に埋もれてしまっているのは本当にもったいないですよね。それらのデータを蓄積して共有するだけで、組織としての調達レベルはかなり向上すると思います。

―近年では「コーポレートガバナンスの強化」という観点でも業務プロセスのデジタル化が求められていますが、いかがでしょう?

田中:似たような業種業態で下請法違反などのニュースがあると「会社としてきちんと調達プロセスのモニタリングができているんだろうか」という懸念が上がってくることはありますね。その際、「最終的な発注先」はデータとして残っているんですけど、やりとりの過程についてはデータが残っておらず確かめようがないことがあるので、プロセスの可視化目的で弊社にお声がけいただくケースはありますね。

―A1Aさんではいかがでしょうか?

松原:お客様のお話を聞いていると、コンプライアンスに関していうと黒はないけどグレーだよね、みたいなお客さんはいますね。また、調達のプロセスが見えなくなっていることがコンプライアンス的にかなり怖いという声はいただきます。コロナ禍の影響で、今までは対面で見れた部分がリモートワークで見えなくなり、社員がサプライヤーとどんな会話、交渉をしているかわからないというお声を頂く機会も増えました。

          

システムを導入し、データを活用するためのステップ

―アナログなシステム化することの目的や効果についてはどうお考えですか?

田中:弊社がまず最初に顧客にお伝えしているのは、「アナログな業務にかかっている時間を浮かせて、付加価値の高い業務により時間を使う」ことですね。見積もりを取る際のメール対応や進捗管理に使っていた時間を、新規サプライヤーの開拓や、精緻な価格交渉など付加価値の高いことに使う、本当に皆様がやった方が良いことにフォーカスすることがシステム化の目的だと考えています。また、SaaSはさくっと導入できるので、一気通貫で購買プロセス全体をシステム化するよりは早く意思決定ができる点も魅力だと思います。

松原:同意です。SaaSのメリットは、やはり「手軽である」ことだと思っています。最終的には全社が使うシステムがゴールだと思いますが、それに一気に進めようとすると、今までは2、3年かけてシステム設計して数億円のシステムを導入していたと思います。しかし、SaaSのようなクラウドベースのシステムは「出来上がっている」システムなので明日からでも使える、小さく始められることがポイントです。少人数で使ってみて一旦実績が出ると全社展開がしやすいのがメリットですよね。

田中:それは弊社も全く同じですね。ある工場で始める、だとか調達部門の中でもチーム単位ではじめるとか。好きな単位で始められるのがSaaSの魅力だと感じています。

          

日本企業の現状と調達DXを成功させる秘訣

―DXが成功した事例や、うまく進められている会社さんがどのように進められているのかについて教えていただきたいです。

松原:成功事例から判ることで言うと、小さく始めてトライ&エラーを繰り返していく点がポイントですね。弊社のシステムの導入にあたって一番気にされるのが「サプライヤーさんに導入してもらえるのかどうか」なのですが、それは見積もりのフォーマットに依存する部分が多いと考えています。通常ご契約から稼働まで約4ヶ月の準備期間に何をやっているかと言うと、フォーマットの調整がメインです。

フォーマットに関して、まず我々のノウハウだったりお客様が何を実現したいのか、また一旦フォーマットを作ってみてサプライヤー様と実運用をしてみる、実運用をした中でこのフォーマットだとここが入れられない、ここは入れたくないといった話が出てくる。そうして小さなステップを重ねて仮説検証を繰り返し、いきなり完成形を目指すのではなく、小さくステップを刻んでいける企業さんはDX がうまくいきますし、結果も出ています

田中:うまくいく会社さんに共通することとしては、「とりあえずやってみる」姿勢の会社さんはうまくいくなと感じています。やってみると言うことは当たり前のことかもしれないんですけど、特に間接材の領域だと取り組めばコスト削減の成果が出る領域なんです。直接材の領域だと購買担当の方が円・銭単位でコストを削ることをやられていると思うのですが、間接材ってあまり焦点を浴びていなかったこともあり、まだまだやればやるほど成果が出るんです。

事例でお伝えすると、例えば大企業だと、一品目「電気代」をやるだけで1億円とか削減出来たりするんですよね。やっている内容としては製造原価の見積もり査定と比べると結構シンプルだったりもするんです。なので、「やる」と言うことが何よりも重要で、うまくいっている会社さんだと、成果が出そうな範囲から小さく始め、実績を出して全社に広げていくと言うことをやれていると思いますね。

―逆になかなか進まない事例はありますか?

松原:「取り組み範囲を大きく広げすぎてしまう」と、進みが遅くなってしまうかなと言う印象はあります。また、調達担当者の方々は非常にお忙しいので、業務量的にも厳しいと思います。

田中:そうですね。弊社も取り組む範囲は設定した方が良いかなと思っています。「最終的にこうしたい」という目標は大きければ大きいほど良いと思います。しかし、それを最初にやろうとしてしまうと進みづらいのが事実だと思うので、どの範囲から広げていくのかを、最初に決めておくのは重要だと思います。また、「やったことを評価する」ことも重要だと思っています。

成果が出たときに、会社さんによって「よくやった」と言う会社さんと、「なんで今までこうなっていたんだ」と担当の方を非難する会社さんがあります。ポジティブに評価するのか、やっていなかったと訴求するのかで進みやすさは変わります。うまく進められている会社では、現場が出した小さな成果であっても、ポジティブに評価されていますね。

―現場を評価するところまで実際に取り組まれていた企業さんは今まであったんでしょうか?

松原:そうですね。うまくいくケースって、導入担当者の方々が「導入すること」を周囲から認識してもらっている、仕事の1つとして認められているケースです。それをもとにしてその方が評価されると、非常にうまくいくと思っています。弊社のクラウドを導入されていた担当の方が全社表彰されていた事例もあったりして、評価ってすごく大事だと思いますし、システムを導入するってそれ自体が体力がいるので、会社として認めることは重要ですね。

        

まとめ

―SaaS導入のメリットは、「手軽に導入でき、スモールスタートが可能である」こと

―調達改革の中でも、「見積」プロセスのデジタル化にまず取り組むべきである

―小さく始めてトライ&エラーを繰り返していくことがDX成功のポイント

    

*各社のサービスが気になった方は、ぜひチェックしてみてください。

RFQクラウド:A1A社が提供する製造業購買部門向けクラウド見積査定システム

https://rfqcloud.com/

Leaner:Leaner社が提供する支出管理プラットフォーム

https://leaner.jp/services

           

*今後もLeanerでは、「コスト削減を、ぐっとスマートに」するためのウェビナーを開催しています。ぜひチェックください!

イベントページはこちら↓

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