「間接費」のコスト削減が成功しない3つの理由

間接費の重要性・改善余地を認識し、全社を挙げて間接費の削減に取り組もうとするとき、皆さんはどのような手法をとっているでしょうか?

現実は、多くの企業において、当初から行き詰まるケースが多く、その理由は多岐にわたります。

ここでは、間接費のコスト削減がうまくいかなくなる代表的な問題・その対応策についてご紹介していきます。

間接費とは?

“間接費”とは、“製造原材料”を除く、あらゆるモノ・サービスの調達費用を指します。

多種多様な費目からなり、ロングテールなため、全体像の把握・管理が難しいとされています。

他方で、企業の業界・業種等に関わらず共通の費用であるため、第三者の目線を通して管理・適正化しやすい特徴を有しています。

間接費には、以下の費目があります。

〇間接費の例

事務・消耗品費:コピー費、事務用品費、トナー etc

旅費交通費 :出張費、交通費etc

通信費:携帯電話、固定電話、固定回線etc

水道光熱費:水道代、電気代etc

施設関連費:清掃費、警備費、ビル管理、廃棄物処理etc

各種手数料:クレジットカード手数料、銀行振込手数料etc

“間接費”のコスト削減において起こりがちな問題

突然ですが、過去にみなさんの企業で行われた間接費のコスト削減をイメージしてください。以下のような問題が起きていませんでしょうか?

管理職の問題

・勘定科目別の管理にとどまってしまう(費目別の管理はできていない)

・プロジェクト中は下がるが、が終わると気付いたらリバウンドしている

・「1費目の金額が小さいから間接費の総額も小さく、削減効果も小さい」という勘違いで、間接費コスト削減を劣後

・そもそも、自社のどの間接費が高いのか低いのかわからない。故に、「コスト削減しろ」とだけ指示。

担当者の問題

・担当者が変わると間接費の集計方法も変わり、適切に現状把握できない

・費目別の優先度が決められないため、金額の大きい費目から着手といった非効率な進め方になる

・コスト削減しても評価されない

・財務会計用に、勘定科目レベルでのみ集計。費目別に間接費を集計・分析し、コスト削減を能動的に進める余力や人手がない。

間接費のコスト削減は、PDCAサイクルのP、D、C、Aのいずれにも問題が山積みになっています。

それでは、以下でコスト削減が成功しない理由を3つに分けてご紹介したいと思います。

成功しない理由①

購買業務は、専担者がいない、あるいは時間が足りない

 欧米では、CPO(Chief Procurement Officer)の下、専門の部門を設置し、利益創出に向けた購買業務に取り組んでいます。

一方、日本では、専門の部署を設置することは稀で、購買業務は総務・経理などと兼任、あるいは1-2名といった少人数のことが多く、結果として発注・処理などの通常業務で手一杯というケースもよく見受けられます。

しかし、間接費のコスト削減効果は、そのまま営業利益の増加に直結します。

仮に、営業利益率5%の企業において、5,000万円/年のコスト削減効果を創出した場合、既存事業で同等の利益を創出するためには、10億円/年の売上増加が必要となります。

以上より、購買業務は利益創出に直結することから、他の部門に比べ、ROIが図りやすくなっています。

よって、専担者を設置した上で、経営陣とのレポートラインを整備し、権限を委譲しながら、コスト削減の取り組みを進めていくことが肝要です。

成功しない理由②

間接費は、門外漢なので、やり方がわからない

いざ間接費の取り組みをやろう、となったケースでも、実際に計画をする段階でつまずくことが非常に多いです。

一口に間接費といっても、通信費・手数料・コピー費・消耗品など多岐にわたり、かつ費目ごとにコストドライバー・打ち手も異なります。

購買業務は、「専担者がいない、あるいは時間が足りない」といった限られたリソースの中では、発注・検収といった業務で手一杯であり、コスト削減に向けた情報の収集も進展せず、ナレッジがたまりません。

そのため、いざコスト削減を始めようにも、“どこから/どのように始めたらいいかわからない”ということが起こりがちなのです。

成功しない理由③

取り組みが、属人的・対処療法的

 企業によっては、優秀な担当者・部門が先導し、自主的にコスト削減を推進しているケースも存在します。

ただし、担当者・部門の知ってる範囲に留まっており、対象とする範囲・その打ち手の幅ともに、限定的であるケースが多数であるのが現実です。

そのため、全社レベルで課題認識を共有するとともに、ゼロベースで対象範囲・打ち手を棚卸・検討することが肝要です。

間接費は、費用の種類の多さ、専門性の高さなどから、敬遠されがちな領域です。

他方、企業のPLに占める間接費の割合は大きく、改善余地も大きいことから、取り組み次第では、早期の利益創出が可能な領域でもあります。

本記事を、間接費の見直しに着手する契機としていただければ幸いです。