2021.05.19

間接材とは?直接材との違いや特徴、コスト削減の方法まで詳しく解説!

間接材とは?直接材との違いや特徴、コスト削減の方法まで詳しく解説!

みなさんは、間接材という言葉をご存じですか?

間接材は企業の支出のおよそ10-20%を占めており、企業のコスト削減の第一歩とするべき費目です。

しかし、日本企業においては間接材の調達・購買を管理する部署が存在しない場合も多く、まだまだコスト削減余地が多く残されています。

この記事では間接材の基本から、実際に削減するプロセスまで詳しく解説します。

ぜひ、お読みください!

TEXT BY Leaner Magazine編集部

1.間接材とは

間接材とは「企業が調達する製造原材料以外のあらゆるモノ・サービス」のことを指します。企業によって定義が異なる場合がありますが、おおよそ下記の図で表される範囲の費用のことを指します。

間接材は企業の業種に関わらず、同じような費目においてコストが発生しているのが特徴です。間接材は販管費に含まれるものから、原価項目に含まれる製造間接費や業務委託費など幅広く存在します。

■販管費に含まれる間接材の例

事務用品
コピー、プリンター
カーリース
交通費
清掃・警備・ビル管理
宅配や配送などの物流費
DMや広告などの販促費
サーバー保守、システム費用

■原価項目に含まれる間接材の例

梱包材などの副資材・MRO
工場の清掃、設備保守
業務委託

また、間接材は調達方法の違いにより「見積購買品」と「カタログ購買品」に分かれます。

・見積購買品とは

見積購買品とは、モノやサービスを買う際に見積が発生する費目になります。サプライヤーから見積を取得する必要があるので、比較的支出が高額な費目になります。企業の調達金額の中の、おおよそ80%くらいを占めます。

見積を取得するものの項目は非常に数が多く、物品からサービスまで多岐に渡ります。

見積購買品の中でも「都度見積」で買うもの、「調達契約」を結ぶものの2種類に分かれます。

調達契約品は契約条件が一定で、初回と更新時のみ見積が発生するものです。具体的にはサーバー費、コピー費、携帯電話、ネット料金、電気代、賃料などが当てはまります。

購買部門や総務部門、情報システム部門などで一括して契約することが多く、数年の契約期間ごとに更新する費目になります。

都度見積品は、発注するごとに仕様や条件が異なるため、見積が都度都度発生するものです。広告やDM、チラシなどの広告宣伝費・販促費、業務委託や人材派遣などの外注費、施設管理費、SaaSなどのシステム利用料などが当てはまります。

発注する部署は多岐に渡り、事業部や拠点レベルでも発注が行われるので、集約・管理する部門が存在しないことも多いです。

・カタログ購買品

カタログ購買品とは、ECサイトやカタログを使って購買する費目です。事務消耗品やMROなどの物品で、数千円レベルの小ロットで購買することが多いのが特徴です。

金額規模だと支出全体の20%くらいを占めますが、発注量でいうと80%程度を占めます。金額の大きいHead(ヘッド)品に対し、Tail(テール)品などと言われます。

2.間接材はなぜコスト削減余地が大きいのか

1章で説明したように、間接材は非常に多種多様な費目から構成されています。1つ1つの費目の総額は少なくても、積上げると企業のコストの10~20%を占めるので、経営に対するインパクトはかなり大きいのが特徴です。(ほとんどの企業では、人件費よりも間接材のコストの方が大きくなります。)

間接材のコスト削減余地が大きい理由は3つあります。

  1. 調達している部署が多岐にわたり、適切に管理できていない
  2. コスト高が生じる調達慣習が存在する
  3. 間接材のコスト削減に対する社内の意識が低い

1.調達している部署が多岐にわたり、適切に管理できていない

間接材は多種多様な品目が存在するため、発注する部署は調達・購買部門、総務部門、情報システム部門、営業部門など様々です。

原材料費は調達・購買部門が厳正な管理をしている企業が多い一方で、間接材に関してはそれぞれの部署任せになってしまっている企業が大半です。

結果として、間接材の調達・購買では

「誰が」
「いつ」
「どこから」
「どのくらい」
「どのような条件で」

発注しているのかが企業として管理できておらず、大きなコスト削減余地を残してしまっています。

2.コスト高が生じる調達慣習が存在する

「サプライヤーとの馴れ合い」が生じやすいのも間接材の特徴です。

発注する部署は「調達業務」が本業でない場合も多いので、コストと品質を厳しく評価する時間を作ることが難しく、結果として便利な「いつものサプライヤー」に発注することが正当化されてしまいます。

決まったサプライヤーへの発注が常態化してしまうと、サプライヤーの適正な競争環境が作られないため、調達コストが高止まりしてしまいます。

また、営業やマーケティングなど売上に関わってくる部分の間接材コスト(販促費や広宣費)が「聖域化」している企業も多く存在します。

「このコストを削ってしまうと、売上が下がるから削れない」と現場から反発をされてしまい、費用対効果を考えずに多大な間接材コストをかけてしまっている企業も多いのではないでしょうか。

3.間接材のコスト削減に対する社内の意識が低い

直接材はしっかり管理できていても、間接材はおろそかにしてしまっている企業は多いです。現場レベルでは間接材のコスト削減を行っても特に社内で評価されることがないため、そもそもコスト削減に取り組むインセンティブがありません。

経営レベルでも間接材への認識を誤っている企業も多く、間接材を所管する役員や部署を設置していなかったり、そもそも取締役や役員クラスに調達を専門とする人材を配置していない企業が多いです。

結果、一部のリーディングカンパニーを除き、日本企業では間接材の重要性を認識できておらず、現場レベルでの散発的な取り組みに終始してしまっている現状があります。

3.間接材に対するリーディングカンパニーの取り組み

多くの日本企業においては重要性があまり認識されていない間接材ですが、リーディングカンパニーでは間接材調達の重要性を会社として認識し、コストの最適化に取り組んでいる事例があります。

また、海外ではCPO(Chief Procurement Officer:最高調達責任者)などの役職を置いたり、Indirect Procurement(間接材調達)チームに十分な人員を配置するなど、間接材のコスト管理も徹底することが一般的です。

この章では、各界のリーディングカンパニーの間接材調達に関する取り組みを紹介します。

トヨタ自動車

Kaizenで知られるトヨタ自動車。徹底的な原価低減による高利益率体質であることは誰もがご存じでしょう。

トヨタでは「調達」業務の重要性が会社全体で認識されており、現在の社長、豊田章男氏の前任にあたる渡辺捷昭氏は調達部門の責任者を経て社長に就任しています。

トヨタでは、「購買係心得帳」という調達における規範を、2代目社長豊田喜一郎氏が作成し、社内に徹底させたという歴史があります。

この購買係心得帳の中では、

1.常にコストパフォーマンスの高い購買を追求すること
2.優秀なサプライヤーを発掘し、複数のサプライヤーに対して相見積もりを取ること
3.サプライヤーとの癒着をせず、適切な距離感を保つこと

(※原文はこちら

など、調達で気を付けるべき基本が記されています。

調達業務はサプライヤーからの誘惑も多いため、癒着を防いで内部統制・コーポレートガバナンスを効かせることの重要性を創業当時から重要視していたことが分かります。

トヨタは直接材、間接材問わず徹底した調達活動の管理を行うことで、製造業の中では高い営業利益率を誇ります。

日本電産

トヨタと並ぶ高利益率を誇る日本電産でも、間接材のコスト削減を重要視しています。

Cash is King」という考え方が現場レベルまで浸透しており、徹底したコストダウンにより2020年からのコロナ禍でも高い利益を創出しています。

日本電産のコストダウン戦略」というレポートの中でもコスト意識の重要性を指摘しています。

日本電産では、各部門や事業所の購買責任者からなる全社的な委員会をつくり、購入した物品の価格情報を社内で共有する仕組みを作っています。この仕組みは、より安いサプライヤーへの集中購買を可能とし、ボリュームディスカウントを効かせたり、バイイングパワーを発揮することも可能にしています。

また、定期的に調達価格の見直しや値下げ交渉を行い、その活動は営業利益の改善において何%のインパクトを創出できているのかを常に意識することで、現場レベルでのコスト意識を徹底しています。

実際、日本電産は2020年3月期の決算発表でもコストダウンの重要性を指摘しており、売上高が半分になっても利益を生み出せる体質を構築しています。

直接材にあたる「材料費の低減」、工場の生産性を向上させることによる「労務費の低減」、間接費用のスリム化による「固定費の削減」を3つの柱として、コスト構造の抜本的見直しを行っています。

これにより、突発的な不景気でも高利益率を生み出せる企業体質ができているのが日本電産です。

海外企業の取り組み

間接材に関する専任の役員や組織を設置するなど、日本企業と比べて間接材調達に関する意識が高い海外企業。CoupaScout RFPFairmarkitなど、間接材調達をDXするソリューションも日本に先んじて登場しています。

IBMでは国や事業ごとにバラバラだった間接材の調達機能を集約、社内の200億ドルにも及ぶ間接材調達を単一の組織に集約し、スケールメリットを活かした調達を行うことで間接材コストの20%以上の削減に成功しています。

CRMの世界トップ企業Salesforceでは、全社の間接材調達を管理するためにCoupaというBSM(Business Spend Management:支出管理)ツールを導入し、支出の80%をクラウド上で管理できる体制を構築しています。

ここで挙げた例は数ある取り組みの一例に過ぎませんが、海外企業では専門組織の配置やSaaS型ソリューションの導入により、間接材調達を戦略的に行う仕組みを構築しています。

4.間接材のコスト削減で重要な5つのポイント

これまでの説明で間接材の重要性は認識できたと思いますが、この章では実際に間接材のコスト削減を行う際に意識すべきポイントを5つ紹介します。

間接材コストは「取り組めば、誰でも簡単に削減できる」コストです。この章で紹介するポイントを実践し、社内のコスト改革にお役立て頂ければ幸いです。

間接材コスト削減のアプローチは意外と単純で、

・サプライヤーから今よりも安く調達する
・社内での使用量を減らし、そもそもの総コストを圧縮する

この2パターンしかありません。その前提に立った上で、重要なポイントを紹介いたします。

①間接材の調達プロセスを見える化し、課題を特定する

どんな業務を改善する場合でも、結果指標だけではなく「プロセスの見える化」は欠かせません。

例えば営業活動で売上アップを行いたい場合、商談になる前の見込み顧客が何社いて、その中から商談には何社繋がって、そのうち受注できそうな商談フェーズの顧客は何社いて、というようにプロセスの可視化を行いますよね。

間接材の調達活動も全く同じで、コスト削減をするためには調達のプロセスを可視化し、どこに課題があるのかを把握する必要があります。

・どのサプライヤーに見積をとっているのか
・何社のサプライヤーと相見積もりを取ったのか
・見積をしているサプライヤーと、どんな交渉を行ったのか
・最終的にどんな見積が返ってきたのか
・交渉の結果何%くらい価格が下がったのか

上記のように、「何をどこから買ったか」の結果だけでなく、調達のプロセスを分解して課題を特定することが重要です。

サプライヤーとのやり取りはメールや電話、FAXなどで担当者が個別に行っている日本企業がほとんどですが、これらプロセスをクラウドサービスなどを活用し1つのプラットフォーム上で行うことをお勧めします。

②相見積もりルールの整備、徹底で、サプライヤーとの馴れ合いを排除する

サプライヤーから安く購入するためには、健全な競争環境の醸成が不可欠です。

そのためには、相見積もりルールの整備と、社内での徹底を行うことが必要です。例えば「50万円以上の購買の際は3社以上の相見積もりを取得して稟議に添付する」などのルール策定を行い、かつ現場でもルールに沿った見積業務を徹底してもらう必要があります。

毎回相見積もりを取り、QCDの観点からも最適なサプライヤーを選択するようにすることで、特定のサプライヤーへの依存や担当者同士の馴れ合いを防ぎます。

この際、サプライヤーから接待を受けるなどはもってのほかで、そういった事態を防ぐような社内規定を作る必要もあるでしょう。

一方で、現場で相見積もりを徹底させることは非常に工数がかかります。

特に調達・購買部門以外の事業部門の担当者の場合、調達活動は本業とは別に発生する業務なので、負担を極力減らす必要があります。

従って、相見積もりを簡単に取れるようなサービスの導入も検討する必要があるでしょう。

③定期的な新規サプライヤーの開拓を行う

間接材の領域は、頻繁に新興サプライヤーの登場による価格破壊・プライスダウンが起こります

例えば、

・電力自由化による新電力事業者の登場
・MVNO事業者の登場による携帯料金の引き下げ
・SIerに対するSaaS企業の登場によるIT費用の引き下げ
・プラットフォーマーの登場による中抜きコストの低減

など、法改正や新技術の登場による価格崩壊が定期的に起こるのが間接材領域です。

そのため、定期的に新規サプライヤーの開拓を行うことが重要です。特に1章で説明した「契約調達品」については、契約更新のタイミングで必ず新規サプライヤーが登場していないかをチェックする必要があるでしょう。

また、担当者レベルでは他の企業との横のつながりなどを活用して、最新のサプライヤー事情の収集を行うことが有効です。

④現場部署での使用量が適切かヒアリングし、不要な支出を削減する

間接材は不要な在庫を抱えていたり、必要以上に現場部署が購買を直接行っているケースが多いです。

例えば、PCやスマホでの作業が大半になったのに、ボールペンや大学ノートを大量に倉庫においていたりしませんか?

このような不要な支出を削減していくことは地道な活動ではありますが、企業の間接コストを減らす上では日々意識すべきことです。現場で間接材を発注している部署・拠点などに定期的にヒアリングを行い、不要な在庫がないかをチェックしましょう。

そして、毎年一定の使用量が見込めるようなMRO(間接資材・消耗品)は集中購買を行い、ボリュームディスカウントを効かせたり在庫を一括管理することも有効です。

また、モノタロウやAmazon businessのような間接資材を購入した件数を記録するシステムを導入することで、部署ごとの使用量を把握することも重要なアプローチです。

⑤削減効果を売上換算し、担当部署を正当に評価する

最後は現場レベルで自発的に間接材のコスト削減に取り組む組織に変革するために重要なアプローチです。

間接材のコスト削減は、ともすれば「現場が行うのは当たり前、むしろちゃんと削減を行っていない部署は評価を落とすべき」といった扱いになりがちです。

しかし、コスト削減=利益創出である以上、本来は売上を作る活動と同等に扱うべき活動です。

日本企業の営業利益率は平均4-5%ですが、仮に営業利益率が5%の会社であった場合、利益創出という観点で見れば、売上を1億円作ること=コストを500万円削減すること、となります。

大半の企業においては、純粋な利益インパクトで見れば同じことにも関わらず、売上を1億円作った営業マンは表彰される一方で、コストを500万円削減した購買担当者は全く評価されないのが実状ではないでしょうか?

第3章で紹介した日本電産では、現場のコスト削減を利益換算し、適切に評価することで現場が率先してコスト抑制を行う体制を構築しています。

まずは現場のコスト削減努力を定量的に見える化し、売上を作っているフロント部門と同じように適正な評価をすることが、社内にコスト意識を根付かせる第一歩となります。

5.間接材の管理適正化に役立つITサービス

これまで間接材の管理・適正化の手法をお伝えしてきましたが、人力で行うには限界があります。

最近は間接材の管理のためのクラウドサービスも出てきており、この章では代表的なサービスを3つ紹介いたします。

Leaner(リーナー)

2019年創業の株式会社Leaner Technologiesが提供する「Leaner」は、間接材の調達プロセスをデジタル化し、コスト改革に貢献するSaaS型のクラウドサービスです。

間接材の見積プロセスをデジタル化することで、現場担当者の負担を減らしながら相見積もりの徹底を行えます。

調達・購買部門での利用を前提としていたこれまでの購買システムとは異なり、調達・購買のプロではない現場部門の担当者でも簡単に利用できる優れたUI/UXであることが特徴です。

栗田工業、オイシックス・ラ・大地、ネオキャリア、オリオンビールなどで導入され、様々な業界の調達コスト改革に貢献しています。

・たった5ステップで見積依頼が完了し、見積にかかっていた工数が50%以上削減
・サプライヤーから提出された見積も自動で集計され、横比較が簡単
・サプライヤーとのやり取りがチャットで可能。案件ごとの交渉履歴を蓄積
・過去の見積データが全て蓄積し、戦略的な調達活動が実現する

「調達・購買部門が存在し、全社的な調達改革を行おうとしている企業」、「調達部門が存在しないが、現場レベルでの調達活動を見直してコスト改革を行いたい企業」どちらにもおすすめのサービスです。

モノタロウ

東証一部上場の株式会社MonotaROが運営する「モノタロウ」は間接資材(MRO)専門のECサイトと、間接資材集中購買サービスを提供しています。

ロングテールと呼ばれる副資材・MRO領域に強みを持ち取扱店数は1,800万点以上に上ります。利用料金が無料で始められる集中購買サービスでは、現場がそれぞれ発注している多品種・小ロットな間接資材を、「誰が」「どこで」「いくら」発注しているのかを可視化し、一元管理することができます。

様々な購買管理システムと連携することもでき、調達業務のDXを進めることが可能です。導入社数は1,000社を超え、製造業中心にあらゆる業界・業種で導入されています。

Amazon business

Amazonが運営する「Amazon business」は、個人向けのAmazon.co.jpに、ビジネス向けの機能やサービスを追加した法人向けECです。

東証一部上場企業のうち75%がAmazonビジネスに登録しており、大企業から公的機関まであらゆる業種をカバーしています。

個人向けのAmazonよりもさらに安い価格での購入が可能で、請求書払いや法人カード、代金引換など様々な支払方法が選択できます。

大企業向けには購買分析やワークフロー、SSO(シングルサインオン)などの機能も提供しており、他の購買管理システムとも連携が可能です。

6.終わりに

いかがでしたか?

この記事では間接材について、下記ポイントを説明してきました。

間接材の特徴
コスト削減余地が残されている理由
リーディングカンパニーの取り組み
間接材のコスト削減で重要な7ポイント
管理を効率化するITサービス

間接材の調達改革は、企業の経営改革の第一歩です。

間接材は利益インパクトも大きく、「やれば誰でも成果が出せる」領域なので、企業が間接材の管理に取り組まない理由はないでしょう。

最近はSaaS型のITツールも出てきており、より効率よく間接材の管理が可能になってきています。

ぜひこの記事を参考に、社内の間接材コスト改革に取り組まれてはいかがでしょうか?
この記事が、皆様の会社のコスト改革に少しでも貢献できれば幸いです。

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