2021.01.20

人材派遣の費用を削減することは可能?利用機会が増加する今知っておきたい、派遣費用の削減ポイントを紹介

人材派遣の費用を削減することは可能?利用機会が増加する今知っておきたい、派遣費用の削減ポイントを紹介

皆さんの会社は、人材派遣費用にコストをかけすぎていませんか?

近年、働き方の多様化が進むにつれ有期の雇用形態が増えています。その有期雇用の形態をとるものの1つが派遣社員です。

人材派遣は主に派遣会社にお金を払う契約となっており、派遣会社から提示された単価での取引なので、削減することはできないと考えている人も多いのではないでしょうか。

しかし、ポイントを抑えて人材派遣費用を見直すことで、削減できる場合があります。

取扱額が増えている今だからこそ知っておきたい、人材派遣費用のコスト削減のポイントを紹介します。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

人材派遣とは?仕組みや現状を解説

人材派遣の仕組み

人材派遣は、「労働を行う人が雇用契約を結ぶ会社と、実際に仕事をする会社が別である」ことが大きな特徴であり、正社員・契約社員やパート・アルバイトと異なります。

派遣社員は、まず派遣会社に登録し、雇用契約を結びます。その後、派遣先の会社と派遣社員の条件が適合し、就業先が決まれば派遣会社と派遣社員の間に雇用関係が発生します。

実際に仕事を派遣社員に指示するのは派遣先の会社です。一方で、派遣会社は派遣社員への給与の支払いや福利厚生の提供、仕事の紹介から派遣先との就労条件の交渉など、サポート全般を担います。

 

人材派遣の現状

日本における雇用者全体に占める派遣社員の割合は、この15年ほど大きな変化なく2~3%を推移していますが、派遣社員の絶対数は増加しています。近年では、働き方の多様化が進み、有期雇用の労働者数は1980年代から増加しており、その有期雇用の一つの形態が人材派遣です。

参考:派遣の現状[一般社団法人・日本人材派遣協会]

市場は、派遣社員ニーズの増加に伴い、多くの派遣会社が乱立しています。大手派遣会社だけでなく、それらの会社に対抗した新興の会社も増えており、価格競争も生じています。

 

人材派遣費用はどのように構成されているのか

人材派遣費用とは

派遣先の会社が、派遣会社に支払うお金を人材派遣費用と言います。この費用は、サプライヤーや業種、勤務時間・勤務地などの条件によって変化します。

参考:最新市場データ・平均賃金レポート(派遣)[ジョブズリサーチセンター]

人材派遣サービスを通じて人を雇用する場合には、この「人材派遣費用」がかかります。一方、一般に正社員などとして雇用する場合、月々の給与とは別に採用費や教育費などがかかります。人材派遣の単価にもよりますが、雇用の際に人材派遣という選択を取ることによりコスト削減に繋がる場合もあります。

 

人材派遣費用には何が含まれているのか

派遣先の会社が支払っている「人材派遣費用」には、どのような費用が含まれているのでしょうか。

一般的に、人材派遣費用は「派遣社員の給与(約75%)」「社会保険料(約10%)」「研修費・福利厚生費用(約5%)」「有給休暇費用(約5%)」「諸経費」「派遣会社の営業利益(約1.5%)」などから構成されます。

人材派遣費用 = 派遣社員の給与 + 社会保険料 + 研修費・福利厚生費用 + 有給休暇費用 + 諸経費 + 営業利益

派遣社員の給与は全体の約7割から8割にあたります。

また、人材派遣の特徴の1つに、派遣社員の福利厚生は派遣会社が負担することが挙げられます。他に、人材派遣では派遣社員への教育や訓練のための費用も派遣会社側が負担するので、こういった費用も人材派遣費用に含まれているでしょう。

これらの派遣社員に関わる費用とは別に、派遣会社自体の営業利益や必要経費も含まれます。このように、派遣社員の給与以外の費用が多く含まれているので、人材派遣費用はマージンが多いと言われがちです。

ただ、これらの費用内訳は派遣先の会社からは完全に把握出来るものではありません。コスト削減を目的とした際、これらの費用について切り込んでいくのは難しいと言えるでしょう。

 

人材派遣費用を削減する2つの方法

紹介したように、人材派遣費用はマージンが多く、その上マージンの中身が把握しづらいため、削減に取り掛かるにはハードルが高いと言えるでしょう。

少しでも削減しやすくするポイントとともに、人材派遣費用の削減方法を2つ紹介します。

 

1.派遣会社との価格交渉

まず削減方法として、派遣会社と人材派遣費用の単価について価格交渉することが挙げられます。

人材派遣全般において、業種や勤務形態などで変化する相場があらかた決まっています。ポイントは、現状契約している価格が相場と乖離していないか、という視点で契約条件を確認することです。

その後、複数の派遣会社で相見積もりを取ったうえで価格交渉に臨むと良いでしょう。

また、会社内で複数のチャネルで派遣会社と契約をしていないかも確認しましょう。契約を一つにまとめることで、単価の低減交渉がしやすくなることもあります。

価格交渉全般についての詳細はこちらをご覧ください。

https://mag.leaner.jp/posts/819/

 

2.求人派遣社員の条件の変更

自社での取り組みで削減をする方法として、求める派遣社員の条件を変えることも効果的です。条件変更のポイントとして、以下の2つの視点で考えると良いでしょう。

  1. 勤務時間
  2. 業務内容

 

1.勤務時間の変更

勤務時間を短くする」、「変則的な勤務時間も可能とする」などの工夫をすることによって、条件に合致する派遣社員の数を増やすことができます。

一般的に、条件に合致する派遣社員の数が多い仕事であるほど、派遣費用の単価は安くなります。

より働き手の多い勤務時間の形態にすることで、単価の引下げを行うことが可能です。

2.業務内容の変更

条件に合致する派遣社員の数が多い仕事ほど派遣費用の単価は安くなるので、裏を返せば、専門性が高く、その仕事に必要なスキルを持っている人が限られている仕事の方が派遣費用は高くなります。

よって、派遣社員に依頼する業務内容をより簡素化することで、派遣費用の引下げを行うことができるということです。

また、業務を簡素化することで、残業の割合も減り、残業分のコスト削減にも繋がります。

業務の簡素化や統合により、業務を効率化することで、人材派遣費用の削減だけでなく、人件費全般の削減にも繋がります。人件費の削減について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

https://mag.leaner.jp/posts/1537/

 

主要な人材派遣企業をまとめて紹介

人材派遣企業の主要なサプライヤーは、大手の会社BIG6と新興・職種特化型の2つに大きく分けられます。

BIG6について

人材派遣のサプライヤーである大手企業には主に以下の企業があります。

 

新興・職種特化型について

人材派遣費用は、業種や職能によって、単価が大きく左右されます。そのため、派遣社員の職種を指定した職種特化型派遣が、新興の中小サプライヤーとして存在しています。

職種に特化している分、自社でマージンを下げてBIG6に対抗している企業もあります。

参考:【全40社】人材派遣会社を徹底比較!職種カテゴリー別まとめ

 

終わりに

人材派遣費用は内訳が把握しづらく、コスト削減の手立てが打ちづらい費目と言えます。

一方、相場と比較しながら単価の交渉をしたり、ちょっとした条件変更に注目したりすることで、削減のハードルを下げることができます。

人材派遣費用について、この機会に本記事の内容と照らし合わせながら、削減を検討してみてはいかがでしょうか。

本記事が、皆さんのコスト削減の一助となれば幸いです。