採用コストを削減・適正化したい方必見!採用費のコスト構造から削減アイデアまで解説

どの企業でも発生している、採用コスト。

採用コストは、主に採用計画によって左右されます。また同じ施策であっても、景気によってコストの変動が激しい費用の1つです。そのため、なかなか自社に最適なコストなのか確認しづらいという特徴があります。

しかし、採用コストの中で見直すべきポイントを絞って、コストを最適化していくことは重要です。場合によっては成果を維持したまま、大幅に削減することも可能です。

本記事では、採用コストの価格構造から削減方法、そして採用コストの大部分を左右する求人媒体・人材紹介の特徴を比較していきます。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

採用コストとは?

採用コストとは、企業が人材採用を行う際に必要になった費用のことを指します。

基本的には、以下の式のように「採用人数」と「採用単価」によって決定します。

   

採用コスト総額 = 「1人あたりの採用単価」×「採用人数」

   

採用コストの特徴として、様々な外部要因によって大きく変動する費用であることが挙げられます。特に影響を受ける外部要因として、以下の2つがあります。

1つ目の要因は、景気です。採用市場は、景気がよくなると「売り手市場」、逆に景気が悪化すると「買い手市場」になると言われ、景気が市場全体の需給に強く影響を及ぼしていると言えます。

例えば、リーマンショック後に多くの企業がコスト削減の一環で採用枠を狭め、2013年ごろまで内定率の低迷が続いたことは記憶に新しいでしょう。このように、景気が採用市場に影響を与え、個々の企業の採用状況やそれに伴う採用費にも影響が及びます。

2つ目の要因は、企業の業種・所在地・規模です。企業の特性ごとに求職者数や求人数、企業の採用レベルなどが異なります。このため、欲しい人材を獲得する難易度が企業ごとに異なり、採用コストも企業によってまちまちになります。

採用コストは外部要因が大きく影響する費用です。これを理解した上で、自社と特徴が似ている企業の採用コストを参考にしながら、最適なコスト水準を検討することが重要になります。

    

採用コストの相場価格は?新卒採用・中途採用をそれぞれ紹介

採用コストは外部要因の影響が強いため、参考として新卒・中途それぞれの採用の相場をみていきましょう。

   

新卒採用市場の平均採用コストは?

新卒採用にかける合計費用の企業平均は調査によると、557.9万です(2018年10月)。特徴として、上場企業と非上場企業で大きな差があります。

新卒採用の採用コストについては、以下の表を参照してください。

    

中途採用市場の平均採用コストは?

中途採用にかける合計費用の平均は、674.1万円です(2020年10月)。中途採用市場でも規模が大きい規模ほど、採用コストが高くなっています。規模が大きい企業ほど採用目標数が多く、人材確保のためにコストがかかっていることが要因としてあげられるでしょう。

中途採用コストの平均は、以下の表を参照してください。

    

採用コストはどのように計算する?現状を把握できる採用コストの算出方法

採用コストは、内部コスト外部コストの2つに分類することができます。

    

内部コスト

内部コストとは、採用する際に社内のリソースを用いたときに発生するコストのことを指します。具体的には、社内での面接や内定者・応募者に直接支払う諸費用が該当します。

  • 採用担当者の人件費
  • 応募者の交通費
  • 会食費・手土産・ノベルティグッズ費
  • 内定者の引越費
  • リファラル採用のインセンティブ

    

外部コスト

外部コストとは、採用する際に多くの企業が利用する、求人媒体や人材紹介などの外部企業に払う費用のことを指します。特に、候補者を集客する際に使用する人材紹介会社や、求人媒体に掲載するための費用が大部分を占めることが多いです。

  • 求人媒体費(広告掲載費など)
  • 人材紹介成功報酬
  • 採用代行費(選考プロセス代行など)
  • 会社案内やリーフレット制作費
  • 説明会・選考会場費
  • 内定者研修費
  • 内定者専用SNS費

   

内部・外部コストそれぞれ「何に対して」「いくら」必要となったのかを明確にしましょう。それぞれの費用を把握し、積み上げることにより、合計金額を算出できます。これにより、採用費を削減する際、何に取り掛かるべきかが明確になります。

    

採用コストを効果的に削減する6つのアイデア

採用コストの打ち手として効果的なのは、採用の「集客プロセス」における削減アクションです。人材を採用するまでには、集客から選考まで様々なプロセスがありますが、費用のほとんどが集客段階で発生しています。そのため、集客にかけるコストを削減・適正化することから取り組むことをおすすめします。

採用の集客プロセスの削減方法は、求人媒体・人材紹介との取引で削減できるものと、社内の決定のみによって削減できるものの2つに分けることができます。

   

求人媒体・人材紹介との取引で削減できる2つの方法

①使用している求人媒体・人材紹介への価格交渉

皆さんの企業では、求人媒体・人材紹介の契約を見直していますか?

求人媒体・人材紹介によっては、契約が見直しされていない間に社内の戦略や価格設定が変わっている場合があります。特に、求人媒体・人材紹介間の競争が激しくなっていることもあり、価格交渉により大きくディスカウントが適用されるケースも多いです。

具体的に採用費の価格交渉を行うタイミングとしては以下が挙げられます。

  • 採用計画拡大に伴って予算を増やすとき
  • 現状分散している求人媒体や人材紹介を1つに集中させるとき
  • 既存媒体において新規で掲載を依頼するとき・契約期間を延長するとき

   

具体的な価格交渉の仕方、準備の方法については以下の記事を参照してください。

     

②類似サービスへの切り替え

1つ目の施策でもあまり削減余地を見出すことができなかった場合、求人媒体・人材紹介を類似サービスに切り替えることで、採用コストを削減できる可能性があります。

自社が用いているサービスを種類ごとに分類し、その他の主要なサプライヤーに相見積もりを取ってみることで、削減余地を確かめることができます。採用の集客手段を分類する種類としては、以下のようなカテゴリーがあります。

ウェブ媒体の求人

  • 求人サイト
  • 求人検索エンジン
  • 自社採用サイト
  • ソーシャルリクルーティング

紙媒体の求人

  • フリーマガジン
  • 折り込みチラシ
  • 求人掲載版

紹介の求人

  • 人材紹介
  • 転職フェア
  • リファラル採用

具体的なサプライヤーは、次の章『主要な求人媒体・人材紹介40社を一覧で紹介』を参照してください。

    

社内の見直しでできる削減方法4選

①採用計画・募集要件の見直し

採用実績があまり良くない場合、求人媒体とターゲット層のミスマッチが起きている可能性があります。求人媒体や、そもそもの募集要項、また依頼業務内容から見直すことによって、採用実績をあげることができるかもしれません。

具体的に見直すべき箇所としては、以下が挙げられます。

  • 使用する求人媒体・人材紹介の種類
  • 使用するサービス
  • 求人時期
  • 依頼業務
  • 設定する応募者のセグメント
  • 目標応募者数
  • 目標採用人数

    

②効果のない求人媒体・人材紹介の可視化・解約

複数の求人媒体・人材紹介を用いて採用活動を行う企業にとって、それぞれの媒体の効果を可視化することが重要です。採用実績から採用のミスマッチなどを定量化して比較することにより、解約をすることも視野に入れながら見直しましょう。

具体的に、定量化できるものとしては大きく「採用媒体を使う1人あたりのコスト」「離職率」が挙げられます。これらの指標を軸にして、使用媒体を見直しましょう。

    

③リファラルの推進

リファラル採用とは、社員などが持つ社外の人脈を生かして、社員による紹介・推薦での採用のことです。リファラル採用は、通常の採用ルートに比べると、内部コストしかかからないため、非常に低コストです。

また、事前に社員が紹介者のことを知った上で採用プロセスにのるため、企業とのミスマッチも少なく、企業への定着率も高いです。

    

④助成金の活用

採用活動を行っている企業は、助成金を国からもらえる場合があります。これによって、採用コストを大幅に削減できる企業もあります。

助成金をもらうには、厚生労働省が定める基本受給要件を満たしているかを確認する必要があります。確認の上、申請書の提出や審査を経て、助成金を受け取ることができます。

詳しく知りたい方は、以下のサイトを参照してください。

厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」

    

主要な求人媒体・人材紹介32個を一覧で紹介

求人媒体・人材紹介は、求人の対象などによって以下のような企業があります。

Web媒体の求人サービス

    

人材紹介の求人サービス

    

採用コストは支出管理ツールの導入で見直すことができる

採用コストは、外部要因によって変動することが多く、定期的な見直しが必要な費目です。しかし、定期的に見直すことで、場合によっては大幅なコスト適正化効果が見込めます。また、採用コストの内訳をきちんと把握して初めて、自社に最適な削減策を打つことができます。

しかし、採用コストの内訳を把握することは手間がかかるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方には、内訳を可視化する手段として、支出管理ツールを用いることが挙げられます。

支出管理ツールは、自社で管理したいコストの切り口に合わせてコストを見える化し、把握することができるツールです。これによって、コストの削減余地が自動でわかるようになります。

頻繁に採用費用の見直しすることが難しいという方は、内訳をきちんと把握するために導入を検討してみてはいかがでしょうか?