高速道路料金の経費削減|旅費交通費のなかでも削減しやすいコストのしくみや削減アイデアを徹底解説

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物流費が大きい企業や、営業担当者に社用車を貸与している企業にとって、無視できない「高速道路料金(ETCカード料金)」。企業によっては、使用頻度が高いコストの1つと言えるでしょう。

しかし、「使用回数を減らす」といった手法を取ることが難しく、コスト削減しづらいイメージもあるのではないでしょうか?高速道路料金は価格交渉を適切に行うことで、経費削減を実現することが可能です。

本記事では、高速道路料金の特徴や、具体的な削減方法について、わかりやすく解説します。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

高速道路料金(ETCカード料金)の概要

高速道路料金とは、移動や物品の運送といった目的で、文字通り高速道路を利用する際に生じる費用のことです。企業の会計上は、「旅費交通費」に区分されます。

主に、総コストに占める物流費が大きい業種ーー運輸業、小売業、郵便業や、セントラルキッチンを有する大手飲食業などで多く発生するコストです。また、地方に営業所を構え、営業担当者に社用車を貸与している企業でも、大きな金額を支出しています。

「事業・業務上の都合で、従業員が定常的に長距離を移動する」際には、必ずと言ってよいほど生じる経費と言えるでしょう。

高速道路料金のコストは、主に以下の計算式で表すことができます。

ルートごとの定価×(1‐割引率)

このうち、「ルートごとの定価」は、「出発地」「目的地」「通行時間帯」「車種」の4つの要素によって決定されます。これらの要素は多くの場合、自社でコントロールすることが難しい要素でしょう。

よって、高速道路料金の経費削減を検討する際には、ルートごとの定価ではなく、「割引率」に注目することが重要になります。安価な料率を獲得するための、削減アプローチをみていきましょう。

  

高速道路料金(ETCカード料金)削減のアプローチ方法

高速道路料金削減の鍵は、サプライヤーから安価な価格条件を獲得するために、「ベンチマーク比較」を行うことです。ベンチマーク比較とは、相見積もり・価格交渉を行い、複数のサプライヤーを比較することで、市場最安価格でのサービス利用を目指す手法です。

高速道路料金を削減するためには、「カーリース事業者」「協同組合」の2種の事業者に対し、ベンチマーク比較を行うことが有効です。

  

カーリース事業者

大手カーリース事業者には、ETCカードの発行や、高速道路料金に関する精算・管理業務を請け負う企業が複数存在します。

リース車両と合わせてETCカードを手配・管理できるため、運用がシンプルであるほか、自社の経理処理体系に合わせた支払い方法(請求書発行単位の調整や、口座振替・振り込みなど)を選択することが可能です。

これらの事業者に対して相見積もり・価格交渉を行うことで、より良い割引率の獲得を目指します。特に大企業は、車両台数が多く、スケールメリットを効かせることができるため、交渉を優位に進められるケースが多いです。

  

協同組合

省庁の認可を取得した協同組合が、加盟企業一括で共同利用・共同購買を行うことで、スケールメリットを生かし、安価な料率での契約獲得をサポートするしくみです。

カーリース事業者と異なり、ETCカードをリース車両と合わせて手配することができないため、別途申し込みの手続きが必要になります。しかし、給油代金と合わせて請求を一元化したり、車両番号と紐付けた管理により、ガバナンスを強化することも可能です。

申し込みに際して出資金が必要であったり一定の加盟条件を要する組合も存在しますが、条件を満たす場合、活用することで大きな割引率を獲得できる可能性があります。自社単独ではスケールメリットを効かせることができない中小企業などには、利用価値が高いでしょう。

  

高速道路料金(ETCカード料金)削減を実現するの6つのステップ

高速道路料金削減までの具体的なステップは、大きく6つあります。

  

Step1:情報を取りまとめる

まず、見積もり取得に必要な情報を整理しましょう。

特に、車両ごとに以下5つの情報を集め、コスト状況を把握します。

  • ルート(出発地・目的地)
  • 通行時間帯
  • 車種
  • 利用料金
  • 割引適用額

尚、上記はETCカードを利用していれば、明細としてデータが蓄積されています。まずは、利用明細を確認してみましょう。

  

Step2:複数社に相見積もりをとる

情報を整理できたら、複数の事業者に対して相見積もりを取得します。

ルート(出発地・目的地)や車両あたりの支払い単価、割引率といった情報を開示した上で、見積もりを依頼しましょう。

価格交渉は、1社あたり2〜3回程度、切り替えを示唆しつつ行うことが効果的です。

参考:https://mag.leaner.jp/posts/819/

この際、カーリース事業者と協同組合、それぞれに対して問い合わせを行うとよいでしょう。相見積もりは複数社に行うことで、コスト削減効果が高まります。同条件で抜け漏れなく見積もりをとることで、より良い割引率を獲得しましょう。

  

Step3:最も安価な価格を用い、削減余地をシミュレーションする

次に、取得した見積もりの中で最も安価な単価条件を用いて、削減余地をシミュレーションしましょう。

これは、社内の合意形成をとる際に重要なプロセスです。削減余地は、以下の計算式によって計算することができます。

(現行単価-ベンチマーク単価)×車両台数

ベンチマーク単価:見積もりの中で最も安価な単価

上記を計算することで、年間でどれくらいの経費削減インパクトを見込むことができるのか、社内に対して具体的な論拠を持って説明できるようになります。

 

Step4:シミュレーションを用いて、社内の合意形成を行う

削減シミュレーションを活用して、社内の合意形成を図りましょう。

場合によっては、ETCカードが変更になるなど、従業員側に手間を要するケースも考えられます。もちろん、経営に対して切り替えの説明責任を求められる場面も想定されるでしょう。

こうした際、経費削減によって得られる期待効果を明示し、想定されるデメリットをどのように上回るのか説明することで、合意をとりましょう。

  

Step5:最安のサプライヤーへ切り替える

社内の理解が得られたら、実際に最安条件のサプライヤーと契約を結びましょう。

尚、カーリース事業者や協同組合によって、手続きのプロセスや用意すべき書類は異なります。詳細は、各社のホームページを確認しましょう。

  

Step6:定期的にモニタリングする

切り替え後も、定期的に情報をとりまとめ、コスト状況をモニタリングすることが必要です。

新しい事業者が生まれることもありますし、マーケットの変化や時勢によって、業界の単価水準が変化することもあり得ます。数年に一度、相見積もりの取得を行うことで、最安条件を維持するよう、努めていくとよいでしょう。

  

高速道路料金(ETCカード料金)の主要なサプライヤー紹介

高速道路料金のサプライヤーは、カーリース事業者・協同組合共に、国内に多数存在します。

事業者ごとに、サービス内容に細かな違いはあるため、詳しくは各社ホームページでご確認ください。

主要なカーリース事業者

  

主要な協同組合

  

最後に

高速道路料金の経費削減ノウハウについて、コストの概要から具体的なサプライヤーに至るまで、ご紹介してきました。

高速道路料金は、価格交渉によって、現場の従業員に負荷をかけずに削減をすることが可能です。本記事を参考に、ぜひ経費削減に取り組んでみてはいかがでしょうか。