コロナ禍で企業のコスト意識は変化したのか?コスト削減に対する意識調査をレポート

世界中で流行する新型コロナウイルス感染症の影響で、元来の生活様式が見直されつつある今。

厳しい経営状態に置かれている企業も多いこのコロナ禍において、各社はどのようなコスト削減策を行っているのでしょうか。

Leaner Magazine編集部では、「コロナ禍における企業のコスト意識の変化及び各社が行ったコスト削減策」について、アンケート調査を実施しました。各社がどのような取り組みを行っているのか、ご紹介します。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

 

  • 本アンケートの対象:経営企画部、調達部、総務部、管理部、経理部の方
  • 回答人数:38名
  • 回答形式:匿名にて回答

 

新型コロナウイルスの影響によるコスト意識の変化

約92%以上の人が「社内のコスト意識に変化があった」と回答

まずは、新型コロナウイルスの影響による「企業のコストに対する意識変化」から見ていきましょう。

「新型コロナウイルス感染拡大を経て、社内のコスト意識に変化があったと思いますか?」という調査に対して、約92%以上の企業が「変化があった」と回答しました。

 

 

外部環境が大きく変化する中、一部の企業では売上をあげることが難しい状況に身を置かれています。また、多くの企業にとって先行きの見えない景況感が続いている現状を反映したものと言えるでしょう。

 

「使用頻度が減った費用を見直している」「これまで目をつけていなかった費用を含むコスト削減に取り組み始めた」といった回答が半数以上

それでは、具体的にどのような意識の変化が起こっているのでしょうか。

「具体的にどのような意識の変化がありましたか?」という質問に対して、実に半数以上が「使用頻度が減った費用を見直している」「これまで目をつけていなかった費用を含むコスト削減に取り組み始めた」と回答しました。

コロナの影響により従業員の働き方が変わったことで、たとえばオフィス賃料のように、支出に対して使用機会が大きく減少している品目が存在します。そのため、移転や減床によって、コストを削減しようという動きが、多くの企業で取られているようです。

感染が広がったときから全社的にテレワークへ移行する動きがあり、それによってほとんど使わなくなった機械の必要是非について検討するようになった

在宅ワークによって使わなくなった家賃経費の削減を検討している

また、経営状況が逼迫している状況を受けて、これまで見直してこなかったコストを改めて見直す動きも、複数の企業で見られます。

新型コロナウイルス拡大前は、「何となく心配だから」という理由で、様々な品目において材を余分に買い揃えてきた。しかし、それらが本当に必要なものなのかを疑問視する動きが起こっており、その結果、使用頻度が落ちている備品について使用停止を検討している

このように、外部環境が劇的に変化する中、多くの企業で具体的なアクションが検討されている事実が読み取れます。

 

コロナ禍で行っているコスト削減施策

ここからは、実際にどのようなアクションが実行されているのか、各社の具体的な事例を紹介していきます。

「新型コロナウイルスによって社内のコスト意識が変化した」と回答した方向けに、「具体的にどのようなコスト削減施策を行いましたか?」という調査を追加で行いました。

本章では、前章で解説した2つのカテゴリーに分けて、実際の削減施策を複数ご紹介します。

 

 

1.使用頻度が減少した費用の見直し

交通費を定期券購入ではなく、実費精算に移行

在宅ワークをする従業員が増えたので、通勤時の支給を実費精算で支給することにしました

テレワーク等の導入により、定期券支給では無駄が多いことに着目し、実費精算に切り替えたという企業が散見されました。

ただし、これらの出勤管理をシステムにより自動で行っている企業もあれば、従業員が手動で記録している企業もあるなど、手法はさまざまあるようです。前者のケースでは、従業員の負担はほとんどかかりませんが、後者の場合は従業員側に入力の手間が発生します。これらの手法によって、従業員の反応は好意的なものと、そうでないものとに分かれるようです。

「いかに社員への負担を少なくし、コスト削減できるか」を配慮することは、必要に重要と言えるでしょう。

 

定期購読の廃止など、図書新聞費の見直し

出社する社員が減ったため、定期購読を全面的に見直し、新聞・雑誌類にかける費用を大幅に削減した

新聞や雑誌など、複数の誌面を定期購読している企業は、これらを一時解約する動きをとっているようです。従業員への事前ヒアリングを行い、元々使用される頻度が少なかったものを中心に進められているようで、現場からの反発もほとんど起こらなかったそうです。

 

食堂の閉鎖

在宅ワークの増加により、食堂の採算が悪くなったため食堂を閉鎖し、経費削減に繋げました

従業員が来なければ食堂も使われないですよね。思い切った判断ですが、社内では好意的な意見をもらっているようです。

好意的な意見の方が多いです。売り上げが減っていく中で、無駄を削減する観点から評価を受けています

 

2.これまで目をつけていなかった費用を含むコストの見直し

使用機会の少ない品目の廃止や機械の廃棄

購入したもののほとんど使用していないSaaSなどのクラウドツールを解約したり、アカウント数を減らしたりした

機械のメンテナンスや維持費を考えて、ほとんど使用していない機械を数台減らした

コロナ禍をきっかけに、このような不要なサービス・機械の支出を見直すことができるのは、良い風潮と言えるでしょう。今までは“念のため”と何となく購入してきたものを、一新するいい機会になるかもしれません。

 

採用関連費用の見直し

新規の採用を止める動きがあった

リファラル採用のように、コストをかけずに採用する方法を探る動きがより活発になった

これも多くの回答で見られました。採用を完全にストップしているという企業もあれば、リファラル採用の強化といった、手法の見直しを行っている企業も。対象となる職種・人数を整理し、広報するなど、全社を挙げて取り組んでいる会社もあるようです。

 

在庫管理の徹底による無駄コストの軽減

安全在庫の数を見直し、社内で管理する原材料・資材の量を減らした。これにより、廃棄原材料、資材の量を減らせるだけでなく、未使用品にかかる税金対策にもつながった

在庫保管料が削減できるだけでなく、税金対策になるのは一石二鳥です。実際にこの施策には、以下のような反響があったそうです。

社内の在庫管理はよりきめ細やかに実施しなくてはならなくなり、忙しさは一時的に増したが、原材料・資材の量を減らせた後は、逆にリソースに余りが出るようになり、他の部署のサポートに回せる人員を確保することができ、社内でも好評だった

 

3.その他:助成金・制度融資の活用

上述の施策以外にも、「助成金の活用」「制度融資の活用」といった、財政状況を改善するための取り組みを行っている企業も複数見られました。

以下に代表的なものをご紹介しますので、内容を確認し、ぜひ活用するとよいでしょう。

助成金制度

制度融資

など

 

コロナという危機をきっかけに、コスト削減に取り組んでみましょう

本調査により、コロナをきっかけにコスト意識が高まった企業が多いことがわかりました。

この機会に、本記事でご紹介したコスト削減施策などを参考にしながら、コスト削減に向けて取り組んでみてはいかがでしょうか。

Leaner(リーナー)監修_Covid-19_新型コロナ対策 抜本的コスト削減打ち手100選

本記事が皆さんのコスト削減の一助となれば幸いです。