コスト削減を実現する上では、支出状況を把握することが欠かせません。現在、支出状況の助けになる「支出管理ツール」が存在することをご存知でしょうか?
「会計ソフトは導入しているけど、コストを管理し、削減することには役立てられていない」という方も、多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな悩みを持つ方に向けて、コスト削減や支出管理業務プロセスの改善にも繋がる」「支出管理ツール」についてご紹介します。
TEXT BY Leaner Magazine編集部
支出管理ツールとは?会計ソフトとの違い
そもそも会計ソフトとは、会計業務を効率的に行うためのツールです。企業全体の財務状況を管理し、損益計算書や決算書などを作成するために用います。支出を分析する機能が付いているものもありますが、基本的には会計処理をスムーズに行うことを目的としたツールです。
一方、支出管理ツールとは、支出の状況を把握・分析することで、無駄なコストを特定したり、ガバナンスを強化することなどを目的に提供されているツールです。
支出管理ツールは、日本ではまだ普及しておらず、あまり認知されていませんが、海外では欧米を中心に様々なツールが存在し、多くの企業によって利用されています。
これらを導入することで、支出管理の水準がより一層高くなり、ムダな支出の抑制が可能になったり、調達条件を改善したりすることができるようになるでしょう。
支出管理ツールの代表例
日本ではまだ一般的ではありませんが、海外には様々な支出管理ツールが存在します。ここでは代表的なサービスを4つ紹介します。
Coupa
Coupa Softwareは、米国のシリコンバレーを本拠地とし、創業14年半で時価総額2兆円(2020年9月時点)をも超える、まさに支出管理システム市場を代表する企業です。2016年にナスダックに上場しています。
提供しているのは、全社の支出に関する業務プロセスを、クラウド上で一元管理できる支出管理プラットフォームです。Coupaの特徴は、ただ単に支出管理が可能なだけでなく、ユーザーがプラットフォーム上で価格の比較・購買を行うことができる点です。世界200万社以上のサプライヤーと提携することにより、こういったソリューションを実現しています。
多くの名立たるグローバル企業に導入され、日本企業ではNECなどでも活用されています。
Sievo
Sievoは、Coupaと並ぶ、グローバルを代表する支出管理ツールの1つです。支出データから具体的な削減余地や、削減のためのアイデアを探索することができるだけでなく、プロジェクト管理までをツール上で一元管理することができます。このプロセスを一元管理することで、実際に調達を担当する現場と、財務管理を担当する財務部との間に存在する、コミュニケーションの問題を根本的に解消することを可能にします。
また、現状の支出データと、蓄積されていく購買価格のデータを用いて、将来の支出予測をも可能にします。これにより、収益性を予測し、プロアクティブな改善活動を支援してくれます。
Ivalua
Ivaluaは、フランスで急成長中の支出管理ソリューションです。S2P(※)の完全自動化を掲げており、商品サプライヤーを見つけるところから、交渉・契約、最終的な支払いをするところまでの全てを、ペーパーレスで行えるプラットフォームを提供しています。
※ S2P(Source to Pay):商品サプライヤーを見つけ、交渉し、契約・支払いを済ませるところまでの一連の調達プロセスのこと。
サプライヤーの手数料がないなど、サプライヤーに優しいサービスであることも特徴です。
また、リアルタイムでデータを分析し、ユーザーのニーズに合わせて柔軟にシステムが対応し進化します。
導入直後からユーザーとサプライヤー間のやり取りが可能であり、迅速に使うことができるのも特徴です。
Ivaluaのサービス等についてはこちらのページをご覧ください。
Leaner
Leanerは、企業のコスト削減に必要な機能を全て揃えたオールインワンの支出管理ツールです。
Leanerはまず、財務会計データを分析し、支出を150の正規化された費目に自動で分類します。高度な分析ダッシュボードを用いて、分類された支出をスムーズに把握することができます。
また、ツール内でコスト改善目標を設定し管理することができ、コストを使い過ぎている部署にアラートを送ることができます。
調達面でも、他社比較をすることで調達水準の適正化を図ることができます。
また、導入後の手厚いサポートにより、導入企業のコスト削減、調達・支出管理業務改善を支援してくれます。
支出管理ツールを導入するのに適したタイミングとは?
ツールの導入を検討する際のポイントの1つとして、導入タイミングが挙げられます。ここでは、支出管理ツールの導入を検討するきっかけとして、代表的なものを4つご紹介します。
- コスト削減に取り組むことになり、現在の支出状況を可視化する必要が生じたとき
- 表計算ソフトで支出データを処理する作業量が膨大で、現在の工数では対応しきれないと判断したとき
- 部門の増加や事業拡大により、扱う支出データの量が飛躍的に増えたとき
- 現在使用している会計ソフトやサービスの支出管理機能では、分析水準が不十分だと感じたとき
尚、支出の分析にとどまらず、使いすぎがあったときのアラート機能や、支出水準をスコアリングしてくれるもの、オプションで担当者がコスト削減のサポートをしてくれるサービスも存在します。支出管理に関する自社の課題を整理し、解決策として最適なものを選定するとよいでしょう。
支出管理ツールを有効活用して、コスト削減・業務改善に繋げよう
支出管理ツールの活用は、海外ではすでに一般的で、今後日本でも利用が加速すると予想されます。
本記事を参考に、適切なタイミングを図りながら、支出管理ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。