コスト削減案の検討に役立つアイデア20選。カテゴリー別コスト削減方法をまとめて紹介

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、多くの企業で利益確保の手段として「コスト削減」が注目されています。

本記事では、その中でも特に取り組みがしやすい、代表的なコスト削減のアイデアを「20個」に厳選し、ご紹介します。「今からコスト削減を始めたいけれども、どのようなコスト削減案があるのかわからない」という方におすすめです。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

コスト削減方法のアイデア20選

企業のコストは、用途別に数100を超える「費目」から成ります。「電気代」「コピー費」「携帯電話料金」など、コスト削減の対象となる費目は様々ですが、いくつかの費目に共通して用いることができる、「汎用的なコスト削減手法」というものがいくつか存在します。

以下、さまざまな費目で使えるコスト削減手法をご紹介していきます。

尚、それぞれのコスト削減手法は、それぞれ「実行のしやすさ」「インパクト」「効果が出るスピード」の3つの指標で簡易的に評価しています。各指標の評価基準は下記をご参照ください。

  • 実行のしやすさ)施策を実行するのに必要な人員の程度。
    ★★★:担当者で完結、★★:部門内で完結、★:全社改革が必要
  • インパクト)コストに対して期待できる削減額の目安割合。
    ★★★:15%以上、★★:5-15% ★:5%未満
  • 効果が出るスピード)コスト削減効果が出るまでの目安期間。
    ★★★:3か月以内、★★:半年〜1年以内、★:1年以上

 

1.仕様の見直し

対象費目)直接材料費など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★★

原材料のなかで過剰に費用をかけているものはないでしょうか。

安価な仕様の材料でも代用できるものがないか探してみましょう。その際に、安価な仕様へと変更すると削減できる費用を計算します。品質面での影響等、価格以外の観点も見た上で妥協点が見つかれば、仕様を切り替えます。

 

2.機種の見直し(廉価品など)

対象費目)携帯電話、PCなど

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★★

利用目的や利用状況を整理すると、要らない機能が付いているなど、スペックが過剰であることがあるかもしれません。場合によっては全く必要でない機能がついていることも。

そのような場合、利用目的に対して必要な機能を整理したうえで、それぞれに応じた機種に切り替えます。廉価品に移行するなどの措置をとっても良いでしょう。

これらの打ち手が効果的な費目の1つが、携帯電話・PCといった通信機器です。通信機器のコスト削減について、詳しくは以下の2記事をご覧ください。

 

3.プランの見直し・変更

対象費目)携帯電話(過剰・不足分の見直し)、PC(レンタル・リース)、SaaS、エレベーター保守費用など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★★

機種の見直し同様に、契約中のサービスプランについても、現在の利用状況を整理しましょう。過剰なサービスの付いたプランを契約していないか、また足りていないサービスがないかの確認をします。

過剰なサービスが付帯している場合は、より安いプランにしても問題がないか検討してみましょう。

また、レンタルやリースといった利用形態を検討するのも良いでしょう。短期間の利用を想定しているのであれば、購入するよりレンタルのほうが安く利用できることがあります。利用形態の変更によるコスト削減金額を概算し、用途に合わせて変更すると良いでしょう。

代表例のひとつ、エレベーター保守費用のコスト削減については、以下の記事をご覧ください。

  

4.中古品に切り替える

対象費目)什器・備品、携帯電話など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★★

現在の発注状況を種類や金額に分けて整理し、中古品で代用可能な品目を選定します。たとえば、来客用の椅子は新品を購入するが、自社社員用は中古品で代用するなど、用途によって中古品を組み合わせて考えるのも良いでしょう。

上記のような、什器・備品のコスト削減についての詳細は以下の記事をご覧ください。

  

5.最安サプライヤーへの集約

対象費目)消耗品など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★

同一品目が複数の発注先に分散している場合、最安条件であるサプライヤーに集約することで、単価を引き下げることができます。また1社あたりの発注総量が増加するため、価格交渉もしやすくなります。自社の求める質と発注量に見合う最安のサプライヤーに集約すると良いでしょう。

また組織を横断した調達も円滑に行えるように、「この費目はAのサプライヤーに発注する」といったルールを設定しておくと良いでしょう。

これらの方法が効果的な費目の代表格が、消耗品のコスト削減です。消耗品のコスト削減について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

  

6.共同調達

対象費目)材料費など

実行のしやすさ:★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★

共同調達とは、企業が原材料や間接材などを調達する際に、他社と協力したり、グループ会社間で連携し合うことで、調達プロセスを一本化することを指します。

共同調達のメリット・デメリットや事例については、以下の記事で詳しく解説しています。特にグループ会社を持つ大企業などでは検討の余地がありますので、ぜひご覧ください。

  

7.BPRによる業務効率化

対象費目)人件費

実行のしやすさ:★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★

BPRとは「Business Process Re-engineering」の略で、目標達成のために企業活動や組織構造、業務フローを再構築することを指します。「業務改革」とも言い、既存の業務プロセスを洗い出し、不要なプロセスの廃止や非効率なプロセスのシステム化などを行います。

これらの結果、「業務量を低減する」ことで、人件費を抑制することを目指します。また、無駄な業務を削減することで各個人が本業に取り組みやすくなり、業務効率を上げる狙いもあります。

人件費の削減ノウハウについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

  

8.多能工化による繁閑調整

対象費目)人件費

実行のしやすさ:★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★

こちらは、人件費の削減方法のうち「業務を平準化する」ことを目指すアイデアの1つです。複数の業務をこなせる人材を育てることで、役職・業務ごとの業務量・繁閑具合・難易度の差を減らし、余計な人員を費やしてしまうことを防ぎます。

これにより、たとえば業務によって繁閑差のばらつきが大きい場合、繁閑が互い違いになっている業務を組みあわせることができるかもしれません。こういった性質を持つ業務を特定し、複数の業務が可能な人員を配置すると良いでしょう。

  

9.要員計画の見直し

対象費目)人件費

実行のしやすさ:★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★

7,8でご紹介した業務効率化や、多能工化等による業務量へのインパクトを試算し、それに応じて要因計画を見直していきましょう。

  

 

10.ネット印刷会社の利用

対象費目)印刷費、広告宣伝費など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★

現状の印刷費の利用状況を、どのくらいの量を・どのサプライヤーに・どのくらいの頻度で、といった視点で精査します。

「ラクスル」や「プリントパック」など、ネット印刷会社には複数の有力サプライヤーがあり、それぞれによって得意な印刷物があります。現在のサプライヤーから別のサプライヤーに切り替えた場合のROI(メリットやコスト削減効果など)を検証し、検証結果をもとにネット印刷会社を選択します。

その他にも、特徴のあるネット印刷会社は複数存在します。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

  

11.カラー印刷の廃止

対象費目)コピー費

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★★
効果が出るスピード:★★★

カラー印刷は、白黒印刷と比べ、数倍〜十倍程度のコストがかかっています。カラー印刷の廃止は、直ぐに実施することが可能なコスト削減アイデアです。

利用状況を分析したのち、社内資料など、不必要なカラー印刷はできる限り白黒に移行していきましょう。デフォルト設定を白黒にする、カラー印刷を使用できる印刷物の基準を設けるなどすると良いでしょう。

複合機・コピー機について詳しくは以下の記事をご覧ください。

  

12.印刷枚数の抑制(ペーパーレスへの移行)

対象費目)コピー費、文書保管費など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★★

資料をむやみに多く印刷してしまっていないでしょうか。また、その資料はペーパーレスで共有できないでしょうか。

現状の印刷枚数を分析し、量がかさんでいる資料の種類や、印刷数量が多い部署等を特定します。その中でペーパーレスに移行可能なものがないか、社員へヒアリングしながらピックアップし、できる限り移行しましょう。また、1人当たりの適切な印刷枚数の制限を決めるなどして、ガイドラインを設けるのも良いでしょう。

  

13.ベンダーとの割引率の交渉

対象費目)消耗品什器・備品、固定電話、インターネット回線など

実行のしやすさ:★★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★★

費目によっては、調達の際にコーポレート割引が獲得できるものがあります。今一度確認してみましょう。

また、発注量が増加している場合には発注総量の増加を交渉材料にして、割引率の見直しができないか交渉してみるのも良いでしょう。

交渉による成果を出しやすい費目の例として、固定電話・インターネット回線費用があります。これらのコスト削減について詳しくは、以下の2つの記事をご覧ください。

  

14.BYODの推奨

対象費目)携帯電話など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★★
効果が出るスピード:★★

BYODとは、「Bring Your Own Device」の略。従業員個人が所有するスマートフォンやタブレット、ノートPCなどのデバイスを業務でも利用することを指します。

現状会社で利用しているデバイスのうち、個人契約のもので代用可能なものはないでしょうか。回線やセキュリティーも考慮した上で、どの部分をBYODにするのかを決めましょう。

  

15.回線数の見直し

対象費目)固定電話、サーバーなど

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★★
効果が出るスピード:★★

固定電話やサーバーなどで、使用していない回線はないでしょうか。不要な回線があれば廃止を検討しましょう。

必要性の低い回線は廃止を検討するとともに、他の回線へと役割を統合できないか考えます。

固定電話だけでなく、IT企業のコストの多くを占めるサーバー費についても、回線数の見直しによるコスト削減が可能です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

  

16.稼働率の分析

対象費目)カーリースなど

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★★
効果が出るスピード:★★

車両ごとの走行距離や利用時間などの利用状況を整理しましょう。中には稼働率の低い車両が存在するかもしれません。

そのような車両に対しては、解約や他サービス(レンタル・カーシェアなど)への切り替えを検討します。短時間の利用であればレンタルの方が結果的に低コストに抑えられることがあります。稼働率に合わせて、利用形態を調整しましょう。

カーリースのコスト削減について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

  

17.面積見直し・移転・解約

対象費目)賃料

実行のしやすさ:★
インパクト:★★★
効果が出るスピード:★★

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの企業がオフィス賃料の見直しを行っています。

まず、契約条件を確認し、減床・解約・移転の可能性を検討します。

また、リモートワークが可能になったことによる環境変化の影響や、立地状況の細かい要件などを整理しましょう。その上で、本当に必要な面積を試算します。現在の契約条件次第ですが、適切な広さや立地のオフィスへの移転、場合によっては解約の判断も検討しましょう。

賃料のコスト削減について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

  

18.警備・清掃箇所と頻度の見直し

対象費目)警備費、清掃費など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★

現状の警備体制や頻度、清掃の品質や頻度を確認し、無駄がある場合は見直しをしましょう。

これらサービスが過剰であったり、不要であったりする場合は案外多く見られます。

週次で行っていたものを2週に1度にしてもらう、清掃箇所を縮小するなど、打ち手を検討しましょう。

  

19.省エネ・節約機器の利用

対象費目)水道代、電気代

実行のしやすさ:★★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★

省エネ機器や節約機器などを導入した際のコストに対する節約効果が見込める場合、導入を検討してみましょう。水道代や電気代など、現行の使用状況を確認し、簡単なシミュレーションを行うことで、ROIの算出を容易に行うことができます。

コストの削減だけでなく、エコの取り組みにも繋がり、一石二鳥です。

電気料金のコスト削減については、以下の記事もご覧ください。

  

20.費用対効果の見直し

対象費目)販売促進費、TVCM費など

実行のしやすさ:★★
インパクト:★★
効果が出るスピード:★★

広告宣伝費用は、ベンチマーク比較等がしづらく、投資金額が妥当かどうかの判断が難しい費用の1つです。

そこで、施策ごとの費用対効果を、可能な限り定量的に把握しましょう。目標を設定し、目標達成に対してかかった費用を施策別に算出・評価します。定めたROI指標のもと、一定の閾値を設定することで、基準未満の施策については取りやめを検討するなどの措置を取ることができます。

  

それ以外のコスト削減案を知りたい方は、「抜本的コスト削減打ち手100選」もご覧ください

以上のアイデアを用いて、自社に合わせた優先度に応じてコスト削減に取り組むことにより、無駄なくコスト削減に取り組むことができます。

また、新型コロナウイルス感染拡大の影響を多くの企業が受ける中、少しでもコスト削減の参考になればと、LeanerTechnologiesは「抜本的コスト削減打ち手100選」を公開しました。

この表では、各費目へのコスト削減案はもちろんのこと、それぞれの削減案を削減しやすい業種や、生み出せるインパクトの度合いまで、網羅的に閲覧することができます。

是非お役立てください。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1nzBaM5cR6ppyezWTXLQwxReVXu6eIqUzSDWGyMjg4mY/edit?usp=sharing

本記事が皆さんのコスト削減の一助となれば幸いです。