価格交渉がしやすくなる!原価ドリブンで見積もる原価積算とは

価格交渉するときに、具体的な目標価格を設定できない。見積書に書かれている1つ1つの項目が高いのか安いのかわからない。 そのような悩みを解決する方法の1つが、「原価積算」です。 原価積算とは、相手のコストを推計するアプローチで、これにより調達の際に妥当な価格で取引ができているのかを確認することができます。当たり前の話ですが、原価は全ての製品に共通して必要なため、どの製品を調達する際にも応用できるのが特徴です。 本記事では、原価積算と間違えられやすい原価計算との違い、原価積算がより有効な費目や、原価積算を行う際のプロセスまでわかりやすくお伝えします。 TEXT BY Leaner Magazine編集部 原価積算とは?原価計算との違いについて解説 「原価積算」とは、サプライヤーの製品にかかる費目を、個別に積み上げて、相手のコストを推計するアプローチです。価格交渉などの際に、調達しようとしている製品に対して行い、調達価格を最適化することが目的です。あくまでもサプライヤーのコストを推計するアプローチであるため、後に紹介する原価計算とは違い、正確な原価を出せるわけではありません。   原価計算とは? 原価積算と似ている概念として、「原価計算」があります。原価計算とは、自社のサービスにかかる費用を費目別に積み上げることによって、原価の全体を把握する方法です。製造業など、原価のコスト管理を徹底している企業を筆頭によく用いられる概念です。主に、原価の削減や、原価とのバランスでサービスの販売価格を決定する際などに使用されます。 原価計算の具体的な方法は、サービスにかかっている原価をそれぞれの費目(労務費・材料費etc.)にわけていき、市場価格と比較します。比較することで、コスト削減余地がある費目が可視化でき、サプライヤーを変える、業務効率化を促進させるといった対策を練ることができます。    原価積算を使うシチュエーションの例 主に価格交渉の際、見積価格の高低を判断するときに用います。 原価積算は、特に人件費がしめる割合が大きい調達物に対して有効です。 たとえば人件費は、製品1単位あたりの作業時間と賃率によって決定されます。そのため、依頼する作業時間と積算書から推測した賃率により、人件費を割り出すことができます。    上の図のように、人件費が大部分をしめる費目は、ある程度正確な推測