【入門編】オフィスの節約術で効果がある方法・無駄になりがちな方法

コスト削減の一環として、細かな節約に取り組んでいる会社は少なくありません。ただ、本当にその節約方法は効果が出ていますか?

手段を誤ると、社員のストレスに繋がったり、削減効果がほとんど出ないことも。しかし、適切な節約方法を取ることで、コスト削減効果は期待できます。

本記事では、節約する前に確認すべきポイントと具体的な節約方法を解説します。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

企業における節約とは

企業のコスト削減における節約とは、使いすぎを是正するために「そもそも使わない工夫をする」ことです。

社内に働きかけて支出を是正する方法は、節約以外にもあります。たとえば、適切な予算編成により、部門が使えるコストを縮小することなどが挙げられます。

節約と他のコスト削減手法の位置付けの違いを理解し、適切な取り組みを実行することで、コスト削減の実現可能性が高まります。

その他の詳しいコスト削減手法については、以下の記事を参照してください。

  

節約を始める前に、チェックするべきポイント

闇雲に節約を始める前に、確認しておくべきポイントをお伝えします。

①適切な目標を設定する

節約をする第一歩として、実現可能な目標を設定し、現場社員と共有しましょう。具体的には、「どの費目」を「どのくらい」削減するのか明確にすることが重要です。

目標が設定されないと、コスト削減をなんとなくやるだけで終わってしまい、削減効果もでなければ、社員も達成感を感じられません。

さらに、設定した目標に対して進捗がどうか、定期的にモニタリングしましょう。
 

②コスト削減する目的を全社で共有する

節約が企業にどのような価値を生み出すのか明確にしましょう。「なぜ節約をする必要があるのか」「どのくらいの利益創出に貢献するのか」を、具体的な数字を交えて説明しましょう。

取り組みの重要性を現場まで浸透させることが、節約の様な地道な活動では非常に重要なのです。
 

③節約の成果を正しく評価する

節約によるコスト削減効果が出たとき、きちんと携わった人を評価しましょう。「成果が出れば評価される」という意識を現場社員に持ってもらうことが、節約を後ろ向きなものでなく、ポジティブなものと捉えてもらうためには重要です。

具体的には、全社会議で推進者を表彰したり、企業ポータルサイトや社内報に取り組み成果を掲載するなど、様々な方法があるでしょう。

  

効果が出やすい2つの節約アイデア

今日から実践でき、効果が出やすい節約方法を、2つご紹介します。

①【複合機・コピー費】紙の使用枚数を減らす工夫をする

紙の使用枚数を減らすことで、「コピー費」を削減することができます。

コピー用紙や会議資料など、紙の資料を多く取り扱っている企業であれば、特に効果が出やすいと言えるでしょう。紙使用枚数を減らす効果的な節約方法は、主に2つあります。
 

まず、「カラー印刷の抑制」です。

カラー印刷は、白黒印刷よりも約5〜10倍のコストがかかります。

以下は、実際のカウンター料金単価の例です。

カラー印刷:8-15円、白黒印刷:0.8-2.5円

*機種や印刷枚数等の契約条件によって異なります。

社内用資料の白黒印刷義務化等を実践することで、コストを大幅に抑制できます。また、印刷の標準設定を白黒にするなど、ちょっとした工夫で使用を抑制することもできるでしょう。
 

2つ目は、「ペーパーレス化」の推進です。

書類をできるだけデータ化して扱うことで、そもそもの印刷物を減らすことができます。特に社内用の資料は、社内の規定変更だけで切り替えられるので、難易度は低いです。他にも営業用資料や帳票などの資料もできるだけ電子化することで、大幅に節約が可能になります。

「カラー印刷の抑制」「ペーパーレス化」、取り組みやすい方法から着手すると良いのではないでしょうか。

   

②電力などの省エネ対策をする

電力、ガス、水道などの使用エネルギー抑制は取り組みやすい節約方法の1つです。

オフィスの形態によって、消費エネルギーの大小は変わります。どの費目から節約するべきか、現状を査定してから始めましょう。今回は、コストが高くなりがちな電気代の効果的な節約方法を2つ紹介します。
 

まず、「空調の設定温度を見直す」ことです。

空調の温度設定を1度変えるだけで約10%の消費電力の削減につながります。サーキュレーター等と併用して、温度設定を適切な温度に見直すことも1つの手かもしれません。

夏の冷房時の温度設定を1℃高くすると約13%(約70W)の消費電力の削減になり、冬の暖房時の温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力の削減になります。

出所:環境省「みんなで節電アクション!」

 

次に、「照明のこまめなオンオフ」です。

照明は電気代の中でも占める割合が大きいです。例として、「昼休憩の時間帯は消灯する」「人がまばらな時間帯は人がいる場所だけ照明をつける」などが挙げられます。また、オンオフを切り替える手間を省くために、タイマー機能付きの照明や、センサー式の照明を導入するのも効果的です。

以上の2つの項目、空調と照明は電気代の半分以上のコストを占めています。そのため、節約によるコスト削減効果を見込みやすいと言えるでしょう。

   

無駄になりがちな節約方法3選

次に、よく取り組まれるものの、効果が出にくい節約方法を3つご紹介します。

①裏紙利用することで、OA用紙の枚数を減らす

コピー用紙の使用を抑制するために、裏紙を利用することは多くの企業で行われています。

ただし、裏紙をトナーに入れて利用すると紙詰まりを起こすケースが多く、複合機が故障してしまう可能性があります。特に、折り目が付いていたり、画像等の印字濃度が高い用紙だったりすると、故障に繋がってしまうリスクが高いです。

故障してしまうと、業務の進行に影響が出るだけでなく、修理代のような無駄なコストがかかってしまう可能性もあります。

OA用紙の使用を抑制できそうにも感じますが、故障リスクを考慮すると得策とは言えないでしょう。

   

②エレベーターではなく、階段を使う

みなさんの会社では、電気代を節約する取り組みの一環として「できるだけ階段を使いましょう」というルールがあったりしませんか?

上りはよいのですが、実は下りのエレベーター使用を控える行為は、それ自体が電気代を増やしています。エレベーターは、重りとの釣り合いが取れなくなると、その分電力でモーターを動かし、輸送しています。つまり、下りの時は人が乗っているほど電気代が少なくなるのです。

エレベーターの使用抑制は想像するほど効果的ではないかもしれません。

参考

③消耗品・社内の飲食物等を必要な分だけに都度発注する

文房具などの備品や飲み物等が必要になった際、買いすぎを防ぐために「必要な分だけを購入する」という方法は、コスト削減に繋がるように思われます。しかし、一度に契約・発注した方が、規模の経済原理によってディスカウントが適用されることが多いです。結果的に、大量発注の方がコスト削減に繋がることが多くあるため、都度発注はコスト抑制に繋がっていない可能性が高いと言えるでしょう。

 

コスト削減効果がある節約方法を試しましょう

効果が出る節約の条件、節約アイデアの良い例・悪い例を紹介してきました。

節約と聞くと、あまりいいイメージを持たないかもしれませんが、正しい方法で行えば、コスト削減効果が期待できます。

目標設定・目的の共有・評価体制の整備を行い、自社に適した節約に取り組みましょう。

本記事を機会に、正しい節約に取り組み、オフィスのコスト削減に貢献していただければ幸いです。