世界で話題のコスト削減方法、“ZBB”。その全貌と破壊力に迫る

「“ZBB”を取り入れたら、コストを劇的に削減できた。」

近年、アクセンチュアやマッキンゼーなどの大手外資系コンサルティング企業がその考え方を取り入れており、海外でその破壊力が話題になっています。

“ZBB”とは「ゼロ・ベースド・バジェッティング」の略で、コスト削減策のうちの一つです。

その破壊力は凄まじく、アクセンチュアが携わった企業では、約1年で一般管理費において数百億円規模のコスト削減に成功した事例も。

従来のコスト削減策とは何が違うのか。なぜそんなにも効果が出るのか。本記事では、その全貌をご紹介していきます。

TEXT BY Leaner Magazine編集部

ZBBとは 

 “ZBB”とは「Zero Based Budgeting」の略で、コスト削減への取り組み方の一つです。前年度の予算から次年度の予算を策定するのではなく、ゼロベースで予算を見直し、計画策定することを指します。ゼロから見直しを図ることで、本来あるべき予算策定を実現し、結果として無駄なコストを削減することに繋げます。

 この考え方を導入することで、社員一人ひとりが本来持つべきコスト意識を持つことができ、コスト削減を持続的に行うことができるようになります。

ZBBの進め方・5つのステップ

 具体的なZBBの手順を簡単にご紹介します。以下のように5つのステップを踏むことで、どの企業でも導入することが可能です。

1.支出の可視化

 全ての間接費に関して、「誰が・何に・どのくらい使っているか」を網羅的に把握することからスタートします。財務会計データや支出管理ツールを用いて、コストを見える化します。

2.削減余地の特定

 可視化した支出のうち、どの費目を、どのくらい削減できるかを分析します。単純な金額の大小だけではなく、取引先との契約状況や、取り組みの難易度などを踏まえ、削減余地を算出していきます。

3.パッケージオーナーの設置

 特に大企業では、部門ごとに発注先が異なっているケースも多いため、カテゴリ全体の費用に責任を持つ担当者が必要です。こういった背景から、ZBBでは組織横断的に担当カテゴリのコストを管理し、責任を負う「パッケージオーナー」を配置します。

4.“ゼロベース”で予算を策定する

 前年を基準にするのではなく、適正予算をゼロから立案していきます。具体的には、品目ごとに単価を算出し、これに消費量を乗算していくことで、積み上げで予算を作ります。前年を基準にして、まずはじめに全体予算を決め分解していくのとは真逆のアプローチです。

5.モニタリング

 立てた予算が適切に運用されているかどうか、定期的に成果をモニタリングします。四半期、半期といった単位で達成されるべきマイルストーンを設定し、進捗を確認するとよいでしょう。

参考)ゼロベース予算(ZBB)を再考する(アクセンチュア株式会社)

ZBBの破壊力

 ZBBが海外で話題となっているのは、その破壊的な威力が要因です。

 アクセンチュアが携わった企業では、約1年で一般管理費において数百億円規模のコスト削減に成功した実績も。圧倒的な効果が話題を呼び、多くのグローバル企業で拡大しています。

 ZBBが特に優れているのは、短期的な営業利益率を向上させるだけでなく、企業文化としてコスト意識を根付かせることができる点です。これにより、多くの企業が継続してコスト削減を行えるようになっています。

“It(ZBB) isn’t just a tool for cutting costs. It’s a lever for changing the culture, and it requires that type of investment in changing long-standing behaviors.”

“ZBBは単なるコスト削減のためのツールではありません。文化を変えるためのレバーであり、長年の行動を変えるためには、そのような投資が必要です”

https://www.mckinsey.com/business-functions/operations/our-insights/how-absolute-zero-based-budgeting-can-heat-up-growth

 ZBBでは、CEOやCFOが取り組みのオーナーとして参画し、組織横断的なチームを形成しながら、コスト削減を「全社」で取り組むことにより、経営指標を即時に反映することや、コストに対する企業体質を変えることが可能になります。

まとめ

今回は、海外で流行しているZBBというコスト削減アプローチを紹介してきました。

ZBBが「破壊的」だと言われるのは、企業全体のコストに対する考え方や、ひいては企業文化までをも変えてしまう可能性を秘めている点だと言えるでしょう。欧米では、景況や事業状況に関わらず継続して筋肉質な経営を続けようという意識が日本よりも高いため、こうした新しいアプローチが登場し始めています。

そんな海外の優れたノウハウに学び、自社のコスト管理を見直してみてはいかがでしょうか。