2020.03.28
コスト削減コンサルとSaaSを比較。それぞれの違いと注意すべきポイントを解説

皆さんは、コスト削減をしようと思ったとき、どのような手段を思いつくでしょうか?
まずは自社でできることから取り組むことも少なくないと思いますが、本格的に取り組むのであれば、外部の専門家に依頼をするケースが多いのではないでしょうか。
コンサルタントに依頼するか、昨今のトレンドであるSaaS(Software as a Service)のようなクラウドサービスを導入し取り組みを進めるか。外部のベンダーを活用する場合、大きくこれら2つの選択肢があります。
本記事では、コスト削減手法の選択肢における「コンサルタント」と「クラウドサービス」について比較します。
TEXT BY Leaner Magazine編集部
コンサルタントに依頼するメリット
外部にコスト削減を委託する場合、最も一般的な方法がコンサルティングファームへ依頼する方法でしょう。依頼するメリットとしては、主に以下の2つがあります。
1.短期で成果を出しやすい
コンサルティングファームに依頼すると、プロのコンサルタントがコスト削減実行をサポートしてくれます。そのため、自社でコスト削減を実施するよりもスピーディーに効果を出しやすいと言えるでしょう。
2.現場社員の負担が少ない
コスト削減を何度も実行し、やり方を熟知しているコンサルタントがコスト削減をサポートしてくれるため、自社で全てを行う場合と比べて、コスト削減策を考えるなどの業務負担は少ないと言えます。自社で進める場合と比べ、現場社員の負担は軽減することができるでしょう。
コンサルタントへ依頼する際に気をつけたいこと
コンサルティングファームに依頼する際、気をつけておきたい注意点があります。
1.費用が高額であるため、コスト削減メリットを得られない可能性がある
コンサルティングファームの多くが、「固定報酬型」の課金形態をとっています。固定報酬型で3ヵ月のプロジェクトを委託した場合、約3,000~5,000万円が相場となります。一部の大企業のように、コスト削減額が報酬額を大きく上回ることが見込まれるのであれば問題ありませんが、多くの企業にとってコスト削減のメリットを得ることは難しいと言えるでしょう。
尚、中小企業でも発注がしやすい「成果報酬型」のコンサルティングファームも近年増えてきています。削減額を成果報酬型で支払う形態であり、固定報酬型と比べてリスクは低いと言えるでしょう。ただ、それでもコスト削減額の大部分を報酬として支払う必要があるため、自社で取り組む場合と比べると、当然コスト削減メリットは小さくなります。
2.リバウンドしやすい
担当コンサルタントがコスト削減を進めてくれることはメリットである一方、契約終了後に「リバウンド」してしまうリスクは避けられないでしょう。自社でノウハウを蓄積しながら行う方法と比べ、コンサルタントが行う業務は、属人的で汎用性が低くなります。任期満了後、同内容の業務を社内の人間が行えるかという点には、疑問が残ると言えるでしょう。
契約期間中に専任の担当者を配置し、自社内にノウハウを残すためのトレーニングを行うなど、これを回避するために何かしらの工夫が必要と言えるでしょう。
クラウドサービスを導入するメリット
近年、様々な会社でクラウドサービス、中でも「SaaS」の導入が進んでいます。SaaSとは「Software as a Service」の略で、従来のようにパッケージ製品としてソフトウェアを購入し利用するのではなく、インターネットを経由してソフトウェアの機能を利用し、サービス料を支払うという形態を指します。
クラウドサービスを用いてコスト削減を行うメリットは、主に以下の2つが挙げられます。
1.コンサルに比べて安価に利用できるケースが多い
SaaSを用いてコスト削減を実施する方法は、コンサルティングファームと比べ、多くのケースで、かかる費用を低く抑えることができます。
コンサルティングファームがコンサルタントの労働力に頼ったサービス提供とならざるを得ないのに比べ、SaaSはマルチテナント方式(※)でシステムを提供するため、構造上安価にサービスを提供することが可能です。
資金面でコンサルティングファームに削減を依頼するのが難しくても、SaaS形態であれば導入可能な企業も多いのではないでしょうか。
※参考:マルチテナントとは
2.継続がしやすい
導入後サービスを使い続けることで継続してコスト削減を実現することができます。プロジェクト形式で一気にコストを落とすアプローチとは異なり、システムを利用することが業務オペレーションの一部となり、運用し続けることができれば、リバウンドが起こる可能性は低くなるでしょう。
クラウドサービス導入で気を付けるべきこと
クラウドサービスを利用したコスト削減のメリットをご紹介しましたが、注意点もあります。
1.セキュリティの問題
コスト削減だけでなく、全てのクラウドサービスに共通して言えることですが、ブラウザ中心の作業になるため、ウイルス感染や不正アクセスによる情報漏洩など、セキュリティ上の不安が残るでしょう。ウイルス対策ソフトを導入したり、ユーザー側で情報漏洩を防ぐ運用ルールを策定したりするなど、対策が必要になります。また、システム障害が起こる可能性もあるため、障害発生時の対応をあらかじめ決めておくことも必要です。
2.システムのカスタマイズが難しい
ソフトウェアとして導入するため、付与される機能を自社でカスタマイズすることは難しいでしょう。場合によっては、新機能が追加された際に使い勝手が悪くなる、といったリスクもあるかもしれません。
まとめ
今回、コンサルタントに依頼する方法、クラウドサービスを用いる方法のメリット・デメリットをそれぞれご紹介してきました。
これらをまとめると、以下のような表になります。
コンサルタント | クラウドサービス | |
メリット | ・短期で成果を出しやすい ・各社員の負担が少ない |
・安価に利用が可能 ・継続がしやすい |
デメリット | ・費用が高額である ・リバウンドしやすい |
・セキュリティの問題 ・システムのカスタマイズが難しい |
重要なことは、自社の現状を整理し、「到達したいゴール」を明確にした上で、そこへたどり着くために「自社に最も合った方法」を選択することです。
この機会に、今一度「コスト」について考えてみてはいかがでしょうか。
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