コスト削減に「間接費」が重要な3つの理由

利益創出を目指し取り組みを模索した際、皆さんはどのような優先順位・順序で着手しているでしょうか?

企業の利益を高めるには、コスト削減が効果的であり、間接費こそが皆さんにとって利益創出の金脈かもしれません。

ここでは、コスト削減に「間接費」が重要な3つの理由をご紹介します。

間接費とは?

“間接費”とは、“製造原材料”を除く、あらゆるモノ・サービスの調達費用を指します。

多種多様な費目からなり、ロングテールなため、全体像の把握・管理が難しいとされています。

他方で、企業の業界・業種等に関わらず共通の費用であるため、第三者の目線を通して管理・適正化しやすい特徴を有しています。

間接費には、以下の費目があります。

〇間接費の例

事務・消耗品費:コピー費、事務用品費、トナー etc

旅費交通費 :出張費、交通費etc

通信費:携帯電話、固定電話、固定回線etc

水道光熱費:水道代、電気代etc

施設関連費:清掃費、警備費、ビル管理、廃棄物処理etc

各種手数料:クレジットカード手数料、銀行振込手数料etc

間接費が下がる理由

・理由①:間接材の占める割合は大きいが、意識されていない

上述の通り、間接費は細かな費目の集合体であり、費目数は多く、1個当たりの金額は小さくなっているので、“間接費の総額も小さい”という印象を持たれがちです。

しかし、費用の総額は大きく、様々な業態におけるリーディングカンパニーのPLを分析すると、間接費は人件費の約2倍にのぼり、多くの企業において、売上の1-2割を占めており、日本全体では、200兆円に及ぶとされています(注記:Leaner Technologies推計。PLに占める間接費の割合、その内訳は業界・業種や企業規模などにより異なる)。

よって、間接費1費目当たりの金額が小さいからといって、間接費の総額も小さいというのは誤った認識なのです。

しかし、原価の見直し、BPR/RPAによる業務効率化といったプロジェクトが走る一方で、間接費については、全く見直しがされていない企業も多く、利益創出に向けた余地が大きい領域となっています。

・理由②:間接費は、組織的な取り組みがなされていない

間接費のコスト削減を実施している企業でも、想定通り効果が出ないことも多いです。

その組織的な背景として、多くは以下a,b,cのようなケースに類型化されます。

a)経営が、間接費のコスト削減にコミットしていない

間接費の見直しは、ユーザー部門、あるいはサプライヤーとの折衝が必要となるので、経営陣がコミットし意思決定をしていない場合、実現せずに“絵に描いた餅”に終わることが多くなります。

b)専任担当者が設置されていない

経理担当者や総務担当者が、通常業務の片手間でコスト削減の担当を兼任することが多く、マインドシェア/工数が捻出できず、取り組みが中途半端になる傾向が多いです。

期間/人数などは変動するが、一定の工数を購買/コスト削減にコミットできる環境を醸成することが肝要で、経営目線に立つと、他の業務に比べ、利益に対するインパクトも明確なので、多少の工数を当該業務に割いたとしても、大半の場合ROIが見合うようになります。

c)知識・ナレッジがなく、手法が属人的

多くの担当者にとって間接費は専門領域ではなく、知識も限定的になります。

出てくる打ち手もアイディアベースであり、何かを辞める/我慢するといった従業員の不満につながる施策が多く見られ、その結果、コスト削減のイニシアチブ全体に懐疑的になり、取り組みが停滞・頓挫するケースが多くなっています。

・理由③:間接費のコスト削減は、真水の利益増に直結する

間接費のコスト削減は真水の利益増に直結し、以下のa,bの理由からも取り組む意義は大きいです。

a)他施策に比べて、蓋然性が高い

間接費の削減は、自社内での意思決定等により決定される部分が大きく、営業力強化、新規事業といった他施策に比べて、 競合他社や顧客といった外部要因による影響が小さく、施策の蓋然性が高いと言えます(注記:マーケット環境やサプライヤーとの関係性等により、施策の実現難易度は異なります)。

部門間で軋轢が生じる(例.ユーザー部門vs購買)ケースもありますが、経営陣がコミットし、しかるべき体制、責任・権限を配置することで、実現の確度は大幅に向上します。

b)コスト削減は、数倍~数十倍の売上増と同等の効果を持つ

間接費のコスト削減効果は、そのまま営業利益の増加に直結します。

仮に、営業利益率5%の企業において、5,000万円/年のコスト削減効果を創出した場合、既存事業で同等の利益を創出するためには、10億円/年の売上増加が必要となります。

購買・調達部門は、利益創出に寄与するポテンシャルを秘めているのです。

間接費コスト削減の重要性

・利益の増加、成長の原資の獲得に向けて

間接費は、費用の種類の多さ、専門性の高さなどから、敬遠されがちな領域です。

他方、企業のPLに占める間接費の割合は大きく、改善余地も大きいことから、取り組み次第では、早期の利益創出が可能な領域でもあります。

本記事を、間接費の見直しに着手する契機としていただければ幸いです。